今年の9月、中国の上海、天津、武漢、杭州、成都の5都市で第5回女子サッカーW杯が行われます。その組み合わせ抽選会が、4月22日に行われました。その結果、ホスト国の中国はD組となり、強豪ブラジルをはじめ、デンマーク、ニュージーランドと同じ組となりました。今回のＷ杯は、まずグループ予選で総当りで試合をして、上位２チームずつ、計８チームが決勝トーナメントに進むということになります。

　先日、中国サッカー協会は、スウェーデン人のドマンスキ女史を女子代表の新監督に決まりました。

　ドマンスキ監督は、1992年から1996年までスウェーデン国家代表のコーチ、1996年9月からは監督を務めました。2001年には、ヨーロッパ選手権で準優勝に、また2003年の前回W杯でも、スウェーデンを準優勝に導きました。その手腕が評価され、ドマンスキ監督は、2003年度の女子サッカー最優秀監督に選ばれました。それから、2003年のW杯後、監督を勇退し、一旦、家庭に入りました。忙しい監督生活から解放され、主婦としての生活を送っていたドマンスキ氏が、なぜまた中国側の要望に応え監督業に復帰したのかその理由について、「このお話が来た時、これは私にとって大きな挑戦であり、またチャンスであると感じていた。オリンピックを控えた中国で指導者としてもう一度スタートできるというのは、思ってもみなかった新しい体験だ。私はやっぱり根っからのサッカー人間だと思う。ピッチに立っているときが何より幸せだ。だから、中国サッカー協会から、お話をもらったとき、気持ちの中ではすぐにチャレンジしてみたいという思いが湧き出てきた」と語りました。　　　

　中国サッカー協会とドマンスキ氏は、3月末に、正式に調印しました。ドマンスキ監督は、中国の女子サッカー代表史上初の外国人監督であり、また初の女子監督ともなりました。 

　ドマンスキ監督は、練習中と試合中を問わず、非常に厳しい方として有名で、「勝利」に対する執念が非常に強く、別名『鉄の女』、『鬼監督』などと呼ばれています。

　元女子サッカーキャプテンで、現役の時、スウェーデンと戦った経験がある孫ブンさんは、ドマンスキ監督への印象について、「私生活では、彼女は、すごく優しい方なんだよ。でも、サッカーの時はまるで人が変わったようになる。練習中も試合中も、自分自身の戦術には絶対的に自信を持って、選手たちをぐいぐいと引っ張っていく、また意志の強い監督だという印象を持っている」と述べました。

　4月28日から、ドマンスキ監督が率いる代表メンバー30人は南京での合宿を開始しました。南京に立つ直前、今後の抱負について、ドマンスキ監督は、「選手たちとともに目標に向かって、戦う日々を楽しみにしている。このわくわくして合宿を待つ気持ちというのは、私にとって久しぶりだ。まずは、各選手の力を見極めたいと思う。合宿が始まる時が、我々のチームのスタートだ。まずは９月に向けて、全力を尽くしていく」と述べました。

　9月のW杯まで、ドマンスキ監督と選手に残された時間は、わずか4ヶ月しかありません。目標をベスト4進出としているドマンスキ監督は、これから中国代表にどんな変化をもたらすんでしょうか。ぜひ、注目してください。