待ち遠しい北京オリンピックの開幕は来年の8月8日午後8時となっています。すでに先月27日に500日を切りました。オリンピック1000日前に、記念イベントを取材したときには、まだまだだなという感じでしたが、今回の500日間のイベントで、本当に北京オリンピックが近づいてきたと感じました。

　オリンピック500日前の27日午後、北京首都博物館で、メダルデザイン発表記者会見がおこなわれました。記者会見で、デザインの理念、メダルの特徴などが紹介されました。

　メダルは、直径が7センチ、厚さが６ミリメートル、IOC・国際オリンピック委員会が決めたギリシャ神話の勝利の女神と競技場という統一デザインが施されています。そして実は、裏がポイントなんですが、中央に太極拳をしている人を描いた大会シンボルマークがついています。そして周囲は、ドーナツ型の「玉」が使われています。

　この「玉」は、中国では、昔から飾りものなどの材料に使われているものです。様々な彫刻が施され、貴重な芸術品として重宝されています。中国の文化を代表するものといってもいいと思います。

　メダルに「玉」を使うのは、百年以上のオリンピックの歴史で初めてのことです。その斬新さに加え、中国文化を代表するもの、ということで、200以上の公募作品の中で、これが選ばれたというわけです。

　あと、メダルの紐を通す部分は、龍の形をしているのです。昔では、龍は、皇帝のシンボル、つまり権力のシンボルでした。今では、民間にも龍の形をしている飾りものとかよくあります。少しオドロオドロシイですけど、吉をもたらすシンボルとされています。

　龍と玉は、中国文化の代表である・・そしてギリシャ神話の女神と競技場は、西側文明の源と・・・東西文明を一つに融合させたということで、非常に面白いデザインと評価されました。

　デザイン発表の記者会見で、北京オリンピック組織委員会の蒋効愚副会長は、こう語りました。

　「北京オリンピックまで、あと500日となった今日は、節目の日といえます。この日に合わせて、世界の注目を浴びる、選手にとって最高の栄誉でもあるオリンピックメダルのデザインを発表したというわけです。このメダルのデザインは、必ずや、より多くの人たちの注目を集めるはずです。そして、それによって、より多くの人が、一層、大会準備に力をいれ、大会を目指して、一致団結することができると考えています。」

　さて、そのメダルデザイン発表式の2日前、25日の日曜日、北京の朝陽公園では市民みんなで健康にオリンピックを迎えようということをテーマに、ウォーキング大会が行われました。北京市民だけでなく、海外40ヶ国からの招待客など１万人がこれに参加し、「五輪マーク」に形作られた１８キロのコースを歩きました。

　また、天安門では、「国際マラソン大会」が行われ、多くの市民や海外からのマラソン愛好者が参加しました。そのイベント参加者の一人、北京市56中学校の鄭暁淳さんに話しを聞きました。

　「今日は、こういう形で、北京オリンピックを健康に迎えようという思いを新たにしようと、このイベントに参加しました。オリンピックは参加することに意義がある、といわれますが、まさにそのとおりだと思います。私もそれを行動で示すことができてうれしいです。」

　オリンピックが開催されるのは北京がメインなんですが、青島、上海、瀋陽などでも行なわれます。今回は、その各都市でも、イベントが行われました。

　馬術の会場になる香港では、カウントダウン掲示板の設置式が行われました。またヨットレースの会場となる青島では、『オリンピック物語』と題するパーティが開かれ、市民たちが、それぞれ、自分とヨットレースの関わりなどを語りあいました。

　様々な形で、それぞれの場所で、オリンピックを迎える雰囲気作りを行なう・・そしてこれによって、市民の関心を引き寄せるというのが、今回のイベントの目的です。４月から、チケット販売が始まります。それから、北京オリンピック聖火リレーのコースも決定されます。これらの活動によって、オリンピックが本当に近づいてきたなと実感できるのですね。楽しみにしています。（文章：王丹丹　04/02）