柔道(正式名称:日本伝講道館柔道)は創始者である嘉納治五郎師範が、無手または武器を持つ相手に対する攻撃防御の術として古来より日本に伝わる「柔術」を学び、新たに技術的工夫と思想的創意を加えて体系化した体育・勝負・修心の道です。嘉納師範は、柔道は心身の力を最も有効に使用する道であり、この原理はスポーツ運動の基本でもあると主張しました。
嘉納師範は、1882年、東京下谷にある永昌寺の書院を借りて、わずか12畳の広さの道場を開き、柔道は単なる武術ではなく人間の踏み行うべき道である、として道場名を「講道館」としました。国際柔道連盟(IJF)の規約第1条に「IJFは嘉納治五郎により創設されたものを柔道と認める」という一文があり、まさに1882年の出来事は柔道の国際的誕生をも意味するものと言えます。
柔道競技がオリンピック種目になったのは、1964年第18回東京大会からです。日本で生まれた柔道が東京の大会で初めて正式種目になったのですから、日本国民の期待は大きく膨らみ、全階級で優勝を、といった盛り上がりを見せ、選手、関係者もなんとしてでも勝たねばならない、と強化練習に努めました。
柔道は1956年の第1回東京大会から世界選手権大会が行われている国際的スポーツであり、女子柔道は1992年第25回バルセロナ大会からオリンピック正式種目となっています。
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