(1)競技の歴史
ボクシングのスタイルで両者が戦う姿はすでに3500年前の資料から見られる。古代ギリシャでは用具の使用について、ルールが規定されていた。古代の"ボクシング"にも一定のルールがあり、十分に組織化されたものであったことが分かっている。
ボクシングの強さは、決して攻撃やパンチの重さだけできまるものではない。古代ギリシャのボクサーは安定した守りと、相手の攻撃力が消耗するまでパンチを避け続けることを目的として試合を戦った。
いわゆる『現代ボクシング』はまずアメリカ大陸で広まり、さらに20世紀初めにヨーロッパに広がった。そして1904年、第3回セントルイスオリンピックで近代オリンピックの正式種目となったのである。
オリンピック競技におけるボクシングの特徴は、男子のみに参加が限定されているということだ。女子ボクシングは1993年に誕生したが、いまだオリンピック競技となっていない。
また古代ボクシングの時代から一貫して、体重別によって戦われ、そして抽選によって対戦相手を決める。また参加年齢は17歳~34歳までに限られる。オリンピックにおいてはプロボクシングとは異なり、ヘッドギアを着用し、グローブも10オンスと重いものを使用。相手を倒すことがメインではなく、打撃の技術を競うことに重きが置かれている。また厳格なルールの下で行われる。
ボクシングの種目:ライトフライト48kg級、フライ51kg級、バンダム54kg級、
フェザー57kg級、ライト60kg級、ライトウエルター64kg級、
ウエルター69kg級、ミドル75kg級、ライトヘビー81kg級、
ヘビー91kg級、スーパーヘビー91kg超級
(2)中国におけるボクシング
2004年アテネ五輪のボクシング・ライトフライト48kg級で、中国の鄒市明が中国初のメダルを獲得した。準決勝でキューバの選手に敗れたものの、見事な銅メダル。「できることなら決勝に進みたかった」と悔しさを見せた鄒だが、北京五輪でさらに上のメダルを狙えるという意気込みの現れでもあるだろう。
プロボクシングでは、4月15日、WBCミドルヘビー級タイトルマッチで、中国の呉志宇がオーストラリアのマクルーアをわずか26秒で倒し、この階級としては中国初の世界チャンピオンとなった。
体重別によって争うボクシングは体格にハンデのあるアジアの選手にとっても、戦いやすい種目の一つであり、中国選手の今後の活躍が期待される。
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