彭林武選手は16位と残念な結果に終わったのですが、彼自身にとってだけではなく、中国水上スポーツ全体にとって有意義な大会だったというわけです。
さて、大会のチャンピオンとなったアメリカのギルマン選手にも感想を聞きました。彼は「今大会は非常によく準備が行き届いた印象だった。優勝はもちろん、うれしいが、それ以上に、中国でレースができたこと自体を誇りに思っている」と語りました。
一方、かつて中国の杭州と無錫で二回もF1パワーボートで優勝したにもかかわらず、今回は操作ミスで6位に終わったイタリアのベテラン選手カペーリニ選手。彼は、今大会の印象をこう語っています。
「中国にまた来られたことを嬉しく思います。中国で2つ勝てたのは、運が良かったからです。中国でのレースは毎回楽しみにしているんですよ。特にこの崇州のコースはこれまで見た中で最も優れていますね。また、中国のメディアもかなりPRに力をいれている印象です。大会中、広告をたくさん見ましたから・・」
今回の大会で、中国代表も出場しました。大会は基本的に、個人戦ですが、国別にもポイントで競います。中国勢として出場したのは、中国人の彭林武さんのほか、実はフランス人が1人いました。世界的に有名なフィリップ選手です。フィリップ選手は今大会、7位に入ったことから、彼が所属する中国代表チームに得点が入りました。どうしてパワーボートが発足したばかりの中国代表として出場したのか、フィリップさんに尋ねました。
「中国で開かれるパワーボート大会は、ほかの国で行われたF1レースと同じくらい、注目度が高くなりつつあります。今、崇州市内のどこにいっても、大会の広告が見られます。観客も多いです。まだパワーボートが始まったばかりのこの地を本拠地にして戦うことにやりがいを感じたことが最も大きな理由です。私にとっては、ここが最高の競技場です。これから2年間で、中国代表を世界チャンピオンにする、それが私の目標ですし、自信もあります。」
現在、中国では、まだモーターボートというスポーツを実際にやる人はあまり多くおらず、その最高レベルの競技となるF1パワーボートについて詳しく知る人はさらに少ないです。しかし、彭林武選手がさきほど言いましたように、中国の経済力の向上に伴い、このスポーツも将来必ず大きく発展することは間違いないと言われています。この点について、彭林武選手はこう語りました。
「このスポーツは今後、多くの人に影響を与えていくと思います。特に若い人たちに会場に足を運んでもらったり、実際やってみてもらったりすることを通して、モーターボートへの認知度を高めていきたいと思います。現在、中国の生活レベルも向上しており、多くの企業が大会スポンサーに名乗りを上げてくれています。この大会の影響力がますます高まっている証拠ですね。」
モーターボート競技って、ほとんどの中国人にとって、おそらくこれまでは遠い存在ですけれども、今回の大会を通して、このスポーツに親近感が生まれてきています。これをきっかけに、モーターボートをはじめ、水上のスポーツがこれから中国で普及し、大きく発展していくように期待しています。(文章:王丹丹 10/17) 1 2
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