それからスポンサーの方ですが、今年は中国企業がずらりと並んでいます。中国で行なわれる大会だから当たり前じゃないって思われるかもしれませんが、チャイナ・オープンがスタートした年は、中国の国内スポンサーは一つもなかったのです。それが、今年、大手パソコンメーカーのLENOVOや、青島ビールなど、中国で最も実力のある企業が大会スポンサーとなりました。
それは当然、全豪、全英など4大大会での中国選手の活躍、そして中国人の皆さんの興味が一気にテニスに向いたという、この部分に目をつけたということなんでしょうが、いずれにしても、プロ大会の運営は、何よりも、現地スポンサーが大切ですから、その点では心強い見方といえるでしょう。
そして何よりも出場選手のレベルも上がったということです。質の高いスポンサーが増えれば、高額の優勝賞金が設定できる、そうなれば、当然、世界の一流選手が「目指してくれる」大会となります。優勝賞金をあげれば大会の質が上がるという簡単なものではないのですが、さらにメディアの注目度や、観客のレベルなども、大会のレベルを示す要素となります。
今年のチャイナ・オープンは、以前に比べて、注目するメディアが増えており、新聞やテレビでも数多く取り上げられています。
しかし、このチャイナ・オープンがテニスの四大大会、全米オープンの直後に開かれるということで、少し難しい部分もあるようです。例えば、今大会には、全仏のチャンピオンとなったナダールや、去年のマスターズカップで優勝したナルバンディアンなどを招待したのですが、ケガなどの原因で出場できませんでした。あと、去年も出場していたシャラポアも今年は不参加ということで、ファンからすれば残念ではあります。
そのあたり、チャイナ・オープンの総責任者、張軍慧氏に聞きました。
「今大会に招いたのは、ほとんど実力重視の選手たちです。ナダール選手やナルバンディアン選手らが出場しないということで、がっかりした方が多いと思いますが、実は、ほかの多くの一流選手がチャイナ・オープンへの出場に意欲を示してくれたのです。私達の基本的な方針は、一人か二人のスター選手を、現場でよいプレーをしてくれるかどうかに関わらず、とにかく招いてくるというようなことはしたくないのです。私は今のところ、チャイナ・オープンは同じクラスの他の大会に比べて、一流選手たちにとって魅力あるものなっていると思います。ただ、やはり、4大大会を初めとした超一流の大会に比べれば、まだまだというのが正直なところです。」
国際男子プロテニス協会ATPによる最新の世界ランキングで、トップ10に入っている選手でいいますと、例えば、クロアチアのリュビチッチやアンチッチ、キプロスのバグダティス、ロシアのダビデンコなどが、この大会に出場しています。
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