
北京で行われていた第11回ジュニア陸上競技世界選手権が20日夜、閉幕しました。今大会、中国代表は、金メダル5個、銀メダル5個、銅メダル7個を獲得し、金メダル数はケニアについで2位でした。そして、メダル総数はなんと1位です。
今回の結果を、2008年オリンピックにどうつなげていくのか、そして、中国の陸上のレベルが今、どのくらいにあるのでしょうか・・
第11回ジュニア陸上競技世界選手権は、今月15日から20日まで、北京で行われました。二年に一回開かれるこの大会は、1986年に始まったもので、日本で言う高校、大学のジュニア年代が出場する世界最高峰の大会、世界チャンピオンの「揺りカゴ」とも言われています。たとえば中国でいえば、アトランタ5000mの金メダリスト、王軍霞、そして110mハードルの世界記録を持つ劉翔など、いずれもこの大会から世界に羽ばたきました。
今大会には、180以上の国や地域からの1451名の選手たちが出場し、過去最多の出場者数となりました。その中で、中国は金5、銀5、銅7と、メダル総数、堂々の1位に輝いて、世界の注目を集めています。
今大会、中国は、若手選手、例えば、高飛びで金を取った黄海強選手や男女競歩でそれぞれ薄向東、劉虹選手が「次世代の金メダリスト」として脚光を浴びました。この結果について、中国陸上、国家チームの馮樹勇総監督は、こう語りました。
「今回のジュニア選手権では、若手選手たちは力を発揮してくれて、メダル総数1位の成績が残せました。これは正直、満足できる成績といえます。中国の陸上界の層の厚さが示されたといえるでしょう。ただ、実は中国はジュニア年代では良い成績をあげるものの、年代が上がるにつれて、力を発揮できなくなる、というのがこれまでの傾向なんです。ジュニアが強い要因は、一つには、中国の選手が外国に比べて、かなり早い時期から専門的トレーニングを受け始めるということがあげられると思います。」
中国の場合、プロの選手になりたい子供たちは、とても早い時期から、スポーツ学校などで専門的な指導を受け始めます。一部の運動能力に優れた子供たちは、その後、市や省クラス、あるいは国家ジュニア代表チームに選ばれ、一般の学校をやめて、プロ選手としての人生を始めるわけです。
ただ、ジュニア年代でチャンピオンとなった選手が、オリンピックでもメダルを獲得できるか、というとそういうわけには行かないのが現状です。
「燃え尽き症候群」という言葉がありますが、あまりにも「早咲き」の選手は、力のピークを迎える前に、いわば燃え尽きてしまって、結局、最終目標に達することができない・・これは日本の野球などのスポーツでもよく言われることです。
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