7月25日、中国国家体育総局は、これから5年間のスポーツ発展計画を発表しました。この中で、もっとも注目すべき点は、2008年オリンピックの開催をきっかけに中国の公共スポーツシステムをいかに整備するかということです。北京大会を通じて、国民のスポーツ活動を活発にする、スポーツをしたいという需要をよりよく満たす、そして民族全体の健康促進を図る、民族全体の健康促進を図る、そして、このような土台を整えた上で、競技スポーツのレベルアップを目指すとされています。
国家体育総局の劉鵬局長は、今後5年の具体的な目標について、こうまとめました。
「これからの5年間、主に三つのことに力を入れる。第一に誰もが手軽に利用できるスポーツ施設を完備すること;第二に、誰もが参加できるスポーツクラブを設立すること;そして第三に誰もが楽しめるスポーツイベントを多く行うことである」
2008年を控え、トップレベルの競技者の能力向上は、当然のことですが、その土台となる部分はやはり一般の国民のスポーツ環境です。それが整っていなければ、『全く地に足着かない』発展となりかねません。
では、その実践例の一端として、農村スポーツの現状を紹介します。
山西省右玉県を訪れました。人口が11万人ほど。総面積が2000平方キロの小さな町です。しかし、ここは国内でも有名な「スポーツの町」となっています。
右玉県でもっとも親しまれているスポーツは、一輪車です。多くの児童が一輪車のりを練習しており、上手な人が大勢います。去年右玉県で開かれた全国一輪車選手権大会で、右玉県の代表チームは、他を圧倒して、12個のメダルを獲得しました。
右玉県のように、スポーツを盛んにやっている地方もいくつかありますが、経済的な問題により、発展が遅れた農村がたくさんあります。
2004年のアテネ五輪では、中国は史上最多のメダルを獲得しました。メダル数という結果だけみれば、中国のスポーツレベルは、ここ数年で飛躍的に伸びているといえます。ただ、今後はそういう高いレベルの競技スポーツと、一般の国民が広く楽しむスポーツとの距離をいかに小さくしていくかということが、今後の中国スポーツ界の一つの課題です。
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