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第14回ロンドン大会
   2006-06-16 09:53:44    cri

 13回ベルリン大会期間中、世界情勢はきわめて不安定で、各国の関係は一触即発の状況であった。しかしこんな中、IOC・国際五輪組織委員会は、次大会の開催地決定に着手。東京(日本)、ヘルシンキ(フィンランド)など14ヶ国が手を挙げ、何度か投票を繰り返した結果、日本の東京が開催権を得た。

 1937年、日本の旧軍事政府は、中国侵略戦争を引き起こした。1938年7月、IOCはカイロで会議を開き、席上、中国代表は、日本の侵略行為は世界平和を破壊するもので、オリンピック精神に背くとして、日本開催を撤回するよう主張した。が、IOCは正義を支持することなく、態度をはっきりさせなかった。

 その直後、日本軍は、1940年に大規模な軍事演習を行い、JOC・日本五輪組織委員会に圧力をかける。これを受け、JOCは1940年大会の開催権放棄を宣言。代わってヘルシンキが開催地と決まった。

 だが、第二次世界大戦が勃発。戦火は欧州全土ないし世界各地まで広がり、ヘルシンキ大会は"幻"となってしまう。

 第二次世界大戦に先立って、1944年に行われるはずの第13回大会の開催地は、すでにイギリスのロンドンに決定されていたが、これもまた戦火によって、開催の道が閉ざされる。

 20世紀の2度にわたる世界大戦によって1916年、1940年、1944年の3大会が開催不可能となった。この時期は、オリンピック史上の最も困難な"暗黒の時代"といえよう。

 1945年、終戦。この年の10月、イギリスのロンドンが第14回大会を開催する意思をIOCに伝えた。戦火が収まったばかりで、各国は復興に手一杯。開催権取得に動いた都市は、ロンドンしかなかった。だが、イギリスも開催に向けて、大変な苦労をした。資金集めのために駆けずり回って、選手村や体育館などの施設を建設・改築した。資金面でも、精神面でも多くの困難を克服して、ついに大会を予定通りにスタートさせたのである。1908年以来、40年ぶりのロンドン開催である。

 1948年、暗い戦争の時代を終え、選手たちが12年ぶりに『平和の祭典』オリンピックに戻ってきた。戦時中、家が焼かれ、身内を死なせ、様々なつらい思いを経験した人たちは、改めて平和のありがたさと友情の大切さを胸に刻んだに違いない。

 あわせて59の国や地域から4099人(女子385人)が参加。参加国数と出場者数は史上最多。ミャンマー、韓国など6ヶ国が初めて選手団を派遣。ドイツと日本は、戦争の発動国であることから、出場は認められなかった。

 大会は、1948年7月29日から8月14日まで行われ、射撃、水泳、重量上げで世界新記録が出た。しかし、12年の空白は大きい。優秀な選手は、その間に引退して競技をやめた。また戦争で命を失った人もいた。さらに若手もトレーニングの時間が短く、経験も不足。スポーツが戦争によって受けた代償はあまりにも大きかった。

 そんな中、今大会の"伝説"を一つご紹介しよう。まだ17歳のアメリカ人、ロバート選手が陸上男子の10種競技で20ヶ国35人の選手を差し置いて、チャンピオンとなったのだ。これはオリンピック史上最年少の陸上金メダリストとなる。さらに、もっと驚かせたのは、彼はまだ4ヶ月足らずしか専門のトレーニングを受けていないということだった。つまり、まだまだ底知れない潜在力があるということ。その予想通り、1950年、彼は世界新記録を塗り替えた。そして1952年ヘルシンキ大会で男子10種競技の2連覇を果した。これも史上初のことだった。

 この大会、水泳は、アメリカが男子水泳と飛び込みの8種目全てを制覇。これは初めて。

 また中国は、バスケットボールに10人、サッカー18人、陸上3人、水泳1人、自転車1人、合せて33人の選手団(全て男子)を派遣した。

 戦争が終わったばかりの安堵感からか、イギリス国民の多くが積極的に観戦に訪れ、チケット収入が5万英ポンドに上った。さらに、50万人がテレビで観戦していたという。

 今大会は、全体的には平凡な記録が多く、また審判の判定の誤りによって揉めたことなどもあったが、戦後最初のオリンピックで、過去を受け、未来を開いた大会として、大いに成功したと言えるだろう。

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