今年は中日国交正常化35周年ですから、両国間の交流事業が増えていますが、特に若い世代の交流は盛んです。特に、今年の4月、温家宝首相が訪日した際、日本の安倍首相と青少年の交流活動をよりいっそう盛んに行っていくことで、双方が合意に達しました。この傾向は、今後ますます強まっていくものと思われます。
今月12日から18日にかけて、日本の高校生178人が中国を友好訪問しました。今回の訪問団は、中日友好協会の招きにより中国を訪問したもので、奈良・青森・愛媛・大阪の高校生、合わせて178人が参加しました。一行は、北京・武漢・杭州などを訪問し、地元の高校生と交流したり、一般家庭でホームステイをしたりしました。
13日の午後、訪問団一行は北京市第19高校を訪れ、中国の高校生たちと交流しました。まず日本の高校生たちは、高校1年生の英語の授業を見学しました。中国では、最近、英語教育が盛んになっています。ほかの国ではどんなふうに授業をやるのか、日本の高校生たちはなかなか興味深いようでした。中国の学生は、どんどん発表して積極的でした。日本の高校生たちも、日本との違いぶりに少しビックリしているようで、「単語は難しい。中国人学生の単語のレベルが高い。中国人学生はとても勤勉で、自分たちも頑張らなくちゃ」などと感想を伝えてくれました。
授業の後、両国の高校生たちは意気投合。まずは、相手の国の言葉を覚えることが大事、ということで、勉強会が始まりました。「こんにちは」「ありがとう」「よろしく」など、簡単なあいさつを、身振り手振りを交えながら、一生懸命教えあっていました。お互い言葉が分からないもの同士のようでしたけど、言葉はまったく関係ない様子でした。お互いに分かり合おうとする心があれば、言葉の壁など問題ではないということを、改めて目の当たりにした気がしました。
北京では2008年、オリンピックが開催されます。オリンピック開催を祝して、両国の高校生たちはちょっとしたスポーツ交流も行いました。運動場で、卓球やテニス、縄跳びなどを楽しんだあと、最後は「2人3脚」ならぬ、「28人29脚」大会で盛り上がりました。中国の高校生14人と日本の高校生14人計28人が、横一列に並んで、肩を組み、50メートルを駆け抜けました。両国の高校生たちは力をあわせて、何とこの日、50メートルを9.47秒の好タイムで走りきったんです。ゴールしたときは、みんなうれしそうでしたね。高校生たちにとって、いい思い出になったのではないかと思います。さて、スポーツでひと汗かいたあと、高校生たちの話題はもちろん、来年開催される北京オリンピックのこと。日本の高校生たちも、北京オリンピックには興味津々。
中国の高校生たちと直接話して、ひと時を過ごして・・・彼らにとっては非常にいい刺激となったと思います。高校生たちは自分の目で中国を見て、自分の肌で中国を感じて、それぞれ新鮮な体験をしたようです。特に、参加者のほとんどが、中国は初めてということで、見るものすべてに目を輝かせているようすが非常に印象的でした。
よく言われることですが、やはり、国同士の友好は、国民同士の付き合いから始めることが大切だと思いました。もちろん、政府レベルの友好往来は大事ですが、今回のような草の根の交流・・・特に、両国の未来を担う青少年の交流が、今後は必要だと思います。今回の訪問で、両国の高校生のあいだにたしかな友情が生まれているのを感じました。お互いの心に友好の種を撒いた訪問だったと言えるでしょう。日本の高校生たちですが、北京ではこのあと、故宮や万里の長城など世界遺産を見学した後、武漢や杭州でもさまざまな交流活動を行いました。7日間という短い日程でしたが、あたたかい交流の輪は確実に広がったようです。(取材:劉叡琳)
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