今年は、香川県多度津町で少林寺拳法が発足して60周年にあたる節目の年です。これを記念して、日本少林寺拳法連盟は、中国の東北地方と河南省を訪問することを企画しました。
6月、日本少林寺拳法連盟総裁・宗由貴さんは中国を訪れ、現地の人々と交流を行いました。
日本少林寺拳法連盟は、中国とゆかりの深い機構です。開祖の宗道臣さんは、第2次世界大戦中、中国の東北地方で過ごしました。当時の中国は、全国で戦火が広がり、人々は極限状態の生活を強いられていました。戦争が終わって、宗道臣さんは日本に帰りましたが、戦後の日本国内の状況も悲惨でした。そこで、宗道臣さんは、「強い心を持つ人間を育てたい。そうすることで、平和で豊かな社会を作りたい」と願って、中国で習った中国武術を再編成して、少林寺拳法を作り出したのです。
お父さんの後を継いだ宗由貴さんが率いる今の日本少林寺拳法連盟は、「強い精神を持つ人間を育成する」こと以外に、中国との交流事業を盛んに行っています。
1年に1回は訪中団を作って、日本の大学生を中国に連れていくほか、中国から学生を招いて交流させています。このほか、中国の貧困地区に援助を行ったり、総裁自身も中国に出向き、中日友好をテーマにした講演会やシンポジウムを開催したりしています。
現在の日本少林寺拳法連盟は、「武術」という枠にとらわれず、中国人と日本人、特に若い世代の交流活動を積極的にサポートしています。
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