Q:先日ある雑誌を読んでいたら、いま中国で人気の「電動自転車」について紹介されていました。賛否両論の意見があるそうですね。私は「電動自転車」の賛否を論ずることは出来ませんが、興味を持ちました。
A:70年代から90年代の半ばまで、中国では他の交通機関に比べて、自転車利用者が圧倒的に多かったのですが、中国経済の急成長とともに、現在、北京・上海・広州をはじめとする大都市では、自動車台数のほうが自転車台数を上回るほどになりました。しかし中国全体では、自転車に乗る人のほうが自動車よりも多いです。
大都市では、バスや地下鉄などの交通機関の整備が追いつかず、ここ数年、乗用車やバイクよりかなり安い「電動自転車」が人気です。
しかし、「電動自転車」が急速に増えるに伴って、スピード違反をはじめとする交通違反の増加や、事故多発などの問題が発生しています。「電動自転車」についての国家管理規定は1990年代に策定されたばかりで、今の状況になかなか追いつかないようです。こうした背景のもとで、一部の地方政府は、独自の規制策を発表しました。たとえば、海南省の海口市では、「電動自転車」の交通ルール違反を厳しく処罰するなど、一連の政策を取っています。逆に、江蘇省の蘇州市は、「電動自転車」を規制するのではなく、バスの路線を拡大したり、道路を拡張したりして、市民がバイクや「電動自転車」ではなく、公共交通機関を利用するよう促しています。(任春生)
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