いま、世界的に外国語を勉強する人が増えています。中国でも同様で、学校や教育機関などが主催する外国語スピーチコンテストもいろいろ行われています。
今回ご紹介するのは、「日中友好の声日本語中国語弁論大会」というスピーチコンテストです。中国国際放送局日本語部をはじめ、東方通信社(日本)、日中青年交流センター、および中国の各大学が主催しているもので、今回で16回目を迎えた歴史あるコンテストです。
今年は、全国各地の大学予選を勝ち抜いた、31名の大学生が、火花を散らしました。中国国内には、日本語を教えている大学が300近くあると言われています。そのトップクラスの大学生たちが集まった大会とあって、なかなかハイレベルな戦いだったようです。
今回の弁論大会ですが、あらかじめ用意してきた3分間の文章で競う「一般弁論の部」と、アドリブの力を試す「即席弁論の部」の2つの部門の総合結果で順位が決められました。
まず「一般弁論の部」では、出場者31人が手振りや身振りなどを交えながら、堂々とス ピーチを披露しました。審査員のひとり、NHKのエグゼクティブアナウンサー・梅津正樹さんは、「みなさんのスピーチに感動しました。みなさん上手だろうとは思っていましたが、これほどレベルが高いとは。発音や言葉の選び方も正確で、自分が言いたいことをきちんとうまくまとめて発表していますね。みなさん基本ができているので、あとは内容 の勝負になってくると思います」と、高く評価していました。
「即席弁論の部」は、言葉のとおり、即席で行う弁論のこと。テーマは当日発表されるので、事前に準備ができません。「わたしのペット観」というテーマが発表されるとすぐに、2分間のスピーチタイムに入りました。出場者は、2分間しゃべりきることができなかったり、テーマに沿ったスピーチができなかったりして、なかなか苦戦していました。
そんななか、注目を集めた出場者がいました。北京第二外国語学院の朴阿英さんです。朴さんは、実際に飼っているペットの「ナナちゃん(犬)」への温かな思いを、コンパクトに、かつ気持ちを込めて語りきりました。
ハイレベルな戦いの末、「即席弁論の部」でのスピーチが光った、朴阿英さんが見事優勝という結果に終わりました。朴阿英さんは、中学時代から日本語を勉強しており、これまであちこちの日本語弁論大会に出場した経験のあるツワモノでした。彼女は受賞後、「これからも皆さんの期待に応えたい。日本語が大好きなので、もっと日本語を上達させたい」と喜びの声を聞かせてくれました。
ちなみに、優勝者の朴阿英さんには、副賞として、日本への研修旅行がプレゼントされました。朴さんをはじめ、出場者のみなさんには、ぜひ日本語を武器に多くの人と交流して、中日両国の間に立ってがんばってほしいです。
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