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先輩を偲び、中日友好事業を促進していく
   2006-11-17 11:39:19    cri

 宇都宮徳馬先生と西園寺公一先生は、中日友好事業の先駆者として活躍されていた方々です。宇都宮徳馬先生は、1906年東京生まれ。東京帝国大学を退学し実業家として活躍。戦後は、衆議院議員に当選し、政治家に転身しています。平和共存路線を唱え、中日国交回復に尽力されました。一方の西園寺公一先生は、1906年神奈川県生まれ。西園寺公望さんのお孫さんに当たる人物です。戦前は、近衛文麿首相のブレーンとして対米英平和外交で活躍。「ゾルゲ事件」に関与していたとして一時失脚しますが、戦後、参議院議員に当選、政治家として活躍されました。1950年には、日中友好協会の設立に参加するなど、宇都宮先生同様、中日国交正常化に尽力された人物です。

 今年は宇都宮徳馬先生と西園寺公一先生の生誕100周年。それを記念し、今月8日、北京の人民大会堂で式典が行われました。中日友好協会と日中友好協会が共催した記念式典には、中国側から唐家セン国務委員らが出席したほか、日本側からも、画家の平山郁夫さんが会長を務める「全国都道府県日中友好協会会長代表団」の方々が駆けつけました。

 式典で、中国の唐家セン国務委員が、おふたりを偲び、次のようなメッセージを発表しました。

 「宇都宮先生と西園寺先生は、苦労をいとわず、また、困難や危険をも恐れず、中日友好のために一生をささげられました。我々は水を飲む時に、井戸を掘った人の苦労を忘れてはなりません。中日関係が新たな局面を迎えた今日、我々は、両国のために奔走された先輩方のことを忘れてはならないのです。おふたりの業績と精神は、いつまでも中日友好の歴史の上に輝き続けることでしょう」

 実は今回、会場で、宇都宮さんと西園寺さんの親族の方々にお会いすることができました。おふたりがどんな人生を歩んでこられたのか。まず私は、宇都宮徳馬先生の息子さん、恭三さんにお話を伺いました。恭三さんによると、徳馬先生は、政治家として、軍縮と中日友好を生涯の目標としていたそうです。特に1980年から92年まで日中友好協会会長を務めていたことから、中国の友好人士との交流も深かったようです。恭三さんは、「神奈川県にちょっと広い家をもっていまして。庭に、大きな桜があって。中国の大使や日本の方を招いてきては、半日ほど桜の花見を楽しんでいました。中国の方も喜んでいただきました」と述べました。恭三さんいわく、これはまさに、徳馬先生らしいエピソードだそうです。つまり、プライベートにおいても、常に中日友好のことを考えていた。関係者を自宅に招いては、両国の友好関係の発展について熱く議論していそうです。

 一方の西園寺公一先生ですが、同じく息子さんの西園寺一晃さんにお話を伺うことができました。西園寺公一先生は、あの「ゾルゲ事件」に関与したとして一時失脚するなど、波乱に飛んだ政治人生を送った方ですが、戦前・戦後、一貫して平和を求め、特に中国との友好関係を重視されていたようです。息子さんの一晃さんは、次のように語ってくださいました。

 「私の知る範囲では、やはり父は父なりに戦前戦中、日本が誤った道を進まないように努力したんです。にもかかわらず、やはり軍国主義の侵略を止められなかった。それがすごく悔しくて、挫折感があったんです。だから戦後、まず初めにやったのは平和運動です。世界ぐるみの平和運動を通して、中国の方々ともたくさんめぐり合いました。たとえば、世界平和評議会では、本部のウィーンに3年間滞在したのですが、そこで中国の代表部の人たち・・・宋慶齢先生や郭沫若先生、寥承志先生などと知り合いとなって、それでだんだん中国を知っていたということです」

 1950年、日中友好協会の立ち上げに参加し、中国との関係改善を重視した公一先生は、1958年、家族を伴って北京に移住までしていらっしゃいます。1970年に帰国するまで12年間北京に滞在していたそうです。滞在中は「民間大使」として、周恩来首相ら要人たちとの親交も深かったようです。中日国交正常化の立役者のひとりとして、93年に亡くなられるまで取り組んでおられたということです。

 西園寺一晃さんは、父親の遺志を継ぎ、主に中国関係の取材活動を行うジャーナリストとして活躍されています。その一晃さんから、こんなメッセージをいただきました。

 「宇都宮先生、そして私の父を含む先駆者たちは、日中両国の正常化を実現しました。私は周恩来総理から直接お聞きました言葉をはっきり覚えています。周恩来総理はこういわれました。日中が対立すればアジアが乱れ、協調すればアジアは平和になる。先般、安部新総理が訪中し、日中首脳会談で関係改善を約束したことは大変喜ばしいことです。しかし、ゆるぎない日中友好関係の構築という大事業はまだ途上にあります。私は、先駆者の意志を継ぎ、皆さんと共にこの事業を担う決意です」

通信
v 「中国留日同窓会」訪日団の同行取材記 2006-11-10 16:11:03
v 鉱石学者の豊遥秋さん 中日両国の鉱石分野での更なる交流を期待 2006-11-03 21:02:07
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