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鉱石学者の豊遥秋さん 中日両国の鉱石分野での更なる交流を期待
   2006-11-03 21:02:07    cri

 天安門の北西、西四(シースー)という街に大きな博物館があります。それは、中国地質博物館です。7階建てで、世界各地から集められた鉱物や岩石、化石など、およそ20万点を収蔵していると言うんですから、かなり大規模な博物館です。

 実はこの博物館に、今年、600種類・3500点もの鉱物標本が寄贈されました。寄贈したのは、日本の鉱物学者で、元・日本地質調査所館長、豊遥秋(ぶんの・みちあき)さんという方です。

 豊さんは1954年から鉱物のコレクションを始めていらっしゃいますが、今回、そのコレクションの大半を博物館に寄贈したそうです。今回の寄贈について、豊さんは「その理由は、いくつかあるんですけれども・・・。この中国地質博物館の展示室は非常に立派だし、いい標本がそろっているんですけど、残念なことに、日本の標本はないに等しい。だから、すこしでも、日本の標本をここへ持ってきたかった。それから、いわゆるシステマテックといいまして、鉱物の分類基準にのっとったコレクション・・・ある程度まとまった個人コレクションを持っていないという話を聞いたんですね。だったら、私のコレクションがある程度役に立つだろうということで、寄贈しました」と述べました。

 豊さんは、これまで、研究のため世界を飛び回ってこられ、中国の研究者たちとも交流がありました。そのなかのひとりが、中国地質博物館の程利偉館長で、程館長と話しているうちに、自分のコレクションを寄贈しようと決意したということです。今回の寄贈を受け、中国地質博物館の程利偉館長は「豊さんのコレクションは、外国人の寄贈としては、中国地質博物館の設立以来、最大規模のものです。当博物館が今後発展していくために、非常に重要な資料となります。本当にうれしく思っています。豊さんには感謝しています」と語りました。

 ところで、「鉱物」と言っていますが、具体的にはどのようなものを「鉱物」と言うのでしょうか?今回、豊さんに「鉱物とは何か」質問してみました。すると、豊さんは「われわれの生活から鉱物を取り去ってしまうと、たとえば、ガラスのコップだって存在しないし、食器だって存在しない。電器だって、テレビだって、鉱物から取り出したものを加工しているわけで、鉱物なしでは人類は生きていけないですね。だから、なくてはならないものだと思います。」と説明してくださいました。生活の中で、なくてはならないもの。それが鉱物です。日頃何気なく使っているものが、実は鉱物から作られている・・・そう考えると、非常に身近に感じます。 

 一般的な定義では、「地質学的作用により形成される天然の結晶物」。岩石とはまた別物で、科学的にほぼ均質で、分子レベルで結晶構造を持つものを「鉱物」といいます。具体的に例をあげると、ダイヤモンド・金・銀・銅・雲母・長石などです。ちなみに全世界中には、およそ4200種類の鉱物が存在しているそうです。

 さて、話は変わりますが、豊さんは、ちょっと変わった経歴を持っています。実は、豊さんのご実家は、代々、宮内庁の楽団に仕えてきた家柄だそうです。音楽の道には進まなかったのは、運命のいたずらだと言えます。豊さんが生まれたのは第2次世界大戦中のこと。豊さんが6歳の時戦争は終わりましたが、戦後の混乱のなか、バイオリンやピアノの練習などしていられる状況ではありませんでした。音楽への道が断たれた豊さんですが、ある日、小学校の先生から鉱物の標本採取に誘われます。実はこの先生は、日本を代表する有名な鉱物学者でした。先生からいろいろ教えてもらううちに、豊さんは鉱物集めに夢中になり、大学でも鉱物を専攻に学び、卒業後、東京大学博物館や日本地質調査所博物館に勤務することになります。研究時代は新種の鉱物を5種類発見し、日本の鉱物界に多大な功績を残していらっしゃる、ということです。

 最後に豊さんは次のようなメッセージをくださいました。「鉱物標本が博物館に入るのは非常にいいことですけど、標本を珍蔵することが重要なのではなくて、標本がこの後どのように生かされるかということが重要なのです。私としては、ぜひ、私のコレクションを中国の鉱物学や岩石学、考証学、生物学、物理学といった分野の方々にぜひ利用していただきたき、いい成果を挙げて欲しい。また、そういうことをきっかけにして、日本との研究協力を進めていければいいと考えています」

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