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日本で活躍してる中国人・曹鵬程
   2006-09-18 22:48:05    cri

曹鵬程(そう ほうてい)

 1977年、吉林省生まれ。北京外国語大学日本語学部外交専門を卒業し、01年人民日報社に入社、特派員記者として国際部アジア太平洋課に勤める。03年9月、人民日報日本支局特派員に任命され来日、日本の政治、経済、社会、文化などの日常報道のほか、特集報道も担当。06年、人民日報日本支局支局長に就任後、現在にいたる

 人民日報は中国情報の宝庫だ!!中国の主要都市30カ所で発行されている新聞「人民日報」。中国のマスコミ人の目には日本はどう映っているのか。さっそく人民日報日本支局長の曹鵬程氏に日本の印象と日中のマスコミについて聞いてみた。

 聞き手は張国清・北京放送東京支局長です。この取材内容は日本東方通信社の編纂による週間雑誌「コロンブス」2006年8月号に掲載されています。

 信頼で成立する日本の契約意識にビックリ

 張国清:曹さんは中国の代表的な新聞「人民日報」の日本支局長を務めています。03年に来日したそうですが、以前から日本語の勉強をしていたのですか

 曹鵬程:人民日報日本支局長 私は中学生のときから日本語の勉強をはじめました。その後、北京外国語大学でも日本語を勉強しましたので、合わせると10年間も勉強したことになります。

 張 日本語を生かすために人民日報に入社しわけですね。入社したときはいかがでしたか。

 曹 入社した当初はコピーをとったり、資料を整理するなど、事務作業が中心でした。それから徐々に取材に行ったり、特集記事を書く機会を与えてもらえるようになりました。

 張 印象に残っている取材があったら教えてください。

 曹 入社1年目のときに中国とネパールとインドの国境で、国境警備隊とネパールについての取材をしました。国境周辺には解放軍の駐屯地があり、そこを転々として取材を重ねていったのです。朝3時に肉饅頭を持って車で出発し、つぎの駐屯地に着くのが夜の11時といった生活でした。ほぼ1カ月かけた取材は大変でしたが、とてもやりがいを感じました。このとき作成した記事は人民日報のほか、書籍にも掲載されました。

 また02年には東南アジアに取材で行きました。連載記事で、ラオス、ベトナム、カンボジア、ミャンマーの4カ国の指導者や政権担当者に、中国との関係や今後の政策についてインタビューしました。

 そのほか、中国西部で日本のODAによる資金がどのように使われているのかを取材したこともあります。ODAの資金で建設された小学校やダム、水道整備の様子を見てまわりました。その取材は中国大使館が取り仕切っていて、中国のマスコミ5、6社と日本のマスコミもきていました。

 張 その後、どのような経緯を経て、来日したのですか。

 曹 私は03年から夜勤をしていました。翌日に発行する新聞の記事整理やレイアウトなどをしていたのです。その仕事をはじめて半年くらい経ったとき、いきなり日本支局長特派員に任命され、来日することになったのです。私は長い間、日本語の勉強をしてきましたが、来日するのはこれがはじめてだったんです。

 張 実際に来日してみて、日本の印象はどうでしたか。

 曹 まず夜の美しさにビックリしました。いたるところにいろんな色の明かりがついていていますからね。ある日、知人に「日本はなんで夜なのに明るいのですか」と聞いたら「夜中になっても会社で残業しているんだ」と聞きました。日本人は本当に勤勉なんだなと思いました。

 張 日本の社会に対してはどのような印象がありますか。

 曹 非常に成熟した社会だと思っています。というのも、日本人はモラルや慣習などをシッカリと守るからです。この性質が興味深くて、私は「日本の契約意識について」という記事にしたほどです。たとえば、私の場合、旅先のホテルでボーイに車のキーを預けて、車を駐車場に入れてもらうのは不安なことなのです。また、電器量販店で商品を買う前にキチンと動くかどうかを試してみないと不安を覚えてしまうのです。ところが、日本人は一定の慣習やモラルのもとで相手を信頼しているから不安を感じないのです。信頼が見えないルールをつくりあげているんですね。しかも、このルールは日常生活だけでなく、商売においても成立しています。ですから、契約違反やモラル違反があると、きびしい非難を浴びせられます。それは日本のマスコミによる報道にも表れています。

 張 日本の経済についてはどのような印象を持っていますか。

 曹 グローバル化が著しいと思いました。日本には世界中の物があります。そのため多くの国の景気と連動しています。なかでもアメリカと中国とのかかわりは大きい。ともに成長していけるような経済関係を築くことが大切です。

 また、日本はしばらくの間、景気が伸び悩んでいるといいますが、そんなことはありません。なにせ日本の0・1?の経済成長が中国の10?の経済成長にあたるといわれているほど、日本経済の力は大きいのですから。しかし、問題点も浮上してきています。それは貧富の差です。この5年間でイッ気に広がったように思います。

 中国の正確な情報なら 人民日報にアクセス

 張 曹さんも私も中国のマスコミ人です。中国と日本のマスコミについてお話しください。

 曹 日本のマスコミは民間が主流ですが、中国の大手マスコミは政府との関係が深いのです。最近になって民間のメディアが台頭してきていますが、全国レベルのものは政府系です。

 張 人民日報はどのような記事を扱っているのですか。

 曹 私たちは全国的に影響があるものを記事にします。ですから、社会問題などが必然的に多くなります。政治や政策に関することも記事にします。中国はとても広いので、個人の話が人民日報でニュースになることはありません。その点、日本のマスコミは大手であっても殺人事件などが大きく取り上げられています。中国でそうしたニュースを扱うのは地域のマスコミになります。

 また日本から見ると、中国のマスコミはいまだに政府がからコントロールされているという印象もあるかもしれませんが、そんなことはありません。日本のマスコミと同じようなスタイルで報道しています。

 張 ということは、人民日報を見れば、中国の大まかな動きを知ることができますね。ですが、多くの日本人は中国語を読むことができません。どうしたらいいのでしょうか。

 曹 人民日報のインターネットには日本語版があります。すべての記事を翻訳しているわけではありませんが、中国の状況を知るには十分なニュースを掲載しています。日本語のほかにも、英語、日本語、スペイン語、アラビア語に対応しています。

 張 そのほか中国のことを知るにはどういったメディアがありますか。

 曹 経済のことなら経済日報、学術のことなら工業日報、政策のことなら人民日報を読むのがもっとも的確だと思います。もちろんラジオ放送なら北京放送、テレビなら中央電子台でしょうね。

 張 やはりキチンとした情報を得るとなると、政府系のメディアをチェックするのが安心ですね。本日はありがとうございました。

 中国の最大の新聞「人民日報」

 1948年6月に創刊、中国でもっとも影響力を持つ新聞。人民日報を発行している人民日報社には3000人もの正規の記者と編集員が所属。また2500人以上フリー記者を有している。現在、中国の主要都市30カ所で発行されており、部数は06年1月の時点で、海外版、華東版、華南版を含め、300万部以上になる。

 http://j.people.com.cn/

kokusei
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