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日本で活躍している中国人・孫文学
   2006-08-30 22:47:18    cri

 悠久の歴史と豊富な人材を誇る南京を日中交流のモデル都市にしたい

 孫文学(南京市駐日本事務初代首席代表)

 1950遼寧省生まれ。南京外国語大学で日本語を学ぶ。鐵鋼会社を経て、南京市外事弁公室に26年間勤務。公職は、南京市人民対外友好協会副会長など

 取材に当たったのは、張国清・北京放送東京支局長です。この取材内容は日本東方通信社の編纂による週間雑誌「コロンブス」2005年7月号に掲載されています。

 「南京」は、日本にとってなじみ深い都市であり、過去の不幸な歴史の舞台でもある。ところが、急成長を遂げた南京は、日本企業の誘致を中心に積極的な広報活動を展開している。そこで、日本事務所代表の孫文学氏に南京の魅力と日中両国の交流活動について聞いてみた。

優秀な人材が豊富な 中国有数の産業都市

 張国清:孫文学さんは、南京市外事弁公室や南京市人民対外友好協会で、長期にわたって日本との交流事業を手掛けてきました。昨年4月には、東京都中央区に開設された「南京市駐日本事務所」の初代首席代表に就かれたわけですが、日本ではどのような活動をお考えですか。

 孫文学:まず南京市をカンタンに紹介しますと、江蘇省の省都で人口は640万人。面積は6597平方??で愛知県とほぼ同じ大きさです。市内には、南京市ハイテク産業開発区(電子産業など)、南京経済技術開発区(新素材)、南京江寧経済開発区(自動車産業)、南京化学工業園区(石油化学)などがあります。従来の石油化学や自動車産業から最新のIT、新素材産業まであらゆる産業に力を入れています。南京市民政府駐日本事務所では、主に3つの活動を考えています。ひとつ目は、日本企業を南京市に誘致するための活動。ふたつ目は、南京市の特徴やメリットを伝えるPR活動。そして、3つ目は、個人、団体を問わない民間交流の支援活動です。

 張:南京に進出している日本企業は多いのでしょうか。

 孫:まだ少ないです。もっとも多いのは香港や台湾の企業です。そして米国(フォードなど)、ヨーロッパ(独BASFなど)、韓国(LG電子など)とつづき、日本はそのつぎなのです。現在、進出しているのは、トヨタ、ホンダ、シャープ、TOTO、伊藤忠、富士電機、富士通などの大企業が100社余りです。レストランやホテルなどをあわせても300社程度だと思います。ただ、日本との貿易額は21億3300万?(約471億円、04年末)で、輸出は前年比15?増、輸入も18?増えています。

 また、4年前から、毎年1回、東京、大阪、名古屋で「南京市投資環境説明会」を実施しており、その結果が着実に実りつつあります。最近では、三菱ガス化学が南京工場(07年稼働予定)の設立を決定し、今年4月には起工式を行ったばかりです。同社は、南京を選んだ理由として、長江を利用した2~3万?級の大型船舶によるメタノール輸送が可能であること、周辺の大規模石油化学プラントからアンモニアや一酸化炭素などの原料を入手できることをあげています。

 張:南京は、資源が豊富で輸送にも適しているわけですね。ほかにはどんなメリットがありますか。

 孫:ナントいっても人材が豊富なことです。大学は、南京大や東南大など40校以上あり、北京、上海に次ぐ多さです。科学研究機構も640ヶ所あり、技師長以上の技術者は30万人以上います。どんな業種であっても、何人でも対応できる、それが南京の最大のメリットといえます。

過去を乗り越えるには 日本人も変わるべき

 張:そもそも孫さんは、どのようにして日本とかかわるようになったのですか。

 孫:南京外国語大学で日本語を学んだことがキッカケです。その後、鐵鋼関係の企業に就職し、日本企業とのプロジェクトも5年ほど担当しました。このプロジェクトが終わる頃、南京市人民政府から要請をうけ、外事弁公室で働くことになりました。以来26年間、ずっと対外関係の業務を担当してきました。78年には名古屋市と姉妹提携を結び、職員同士の交流事業なども行ってきました。

 張:ところで、南京といえば、中国人も日本人も複雑な気持ちを持っていると思いますが、いかがでしょうか。

 孫:1937年の「南京大虐殺」のことですね。たしかに大変な事件でした。ただ、南京人は、いつまでも過去にとらわれているわけではありません。「歴史」は「歴史」、「今」は「今」です。ところが、この件については、多くの日本人が、いまだに後ろ向きな考え方をしていると感じています。たとえば「南京人はいまだに日本を憎んでいるのではないか」とか「南京に行くと危険な目にあわないか」といった考えです。実際のところ、南京人は平和を愛しており、昨年の反日デモのときも、何も問題は起きませんでした。

 張:日本人の方ももっと南京に対して、胸襟を開くことが大事ですね。

 孫:そうです。もっと、広い視野で南京を見てほしいです。とくに、南京は2400年の歴史を誇る古都で、日本人にも古くからなじみがあります。『三国志』の時代は、呉の首都であり、「建業」と呼ばれていました。南京を旅行すれば、孫権や周瑜など呉の英雄たちに出会えますよ。その他、南京は六朝、南唐、明、太平天国、中華民国など10の王朝が都を置いたため、観光地が豊富です。世界文化遺産である「明孝陵」や孫文の陵墓である「中山陵」、大航海で名を馳せた鄭和が眠る「鄭和墓」などがあります。

 張:産業だけでなく、観光も魅力的ですね。ただ、日本からのアクセスが不便だと感じますが。

 孫:上海浦東空港から高速道路を使って3時間ですからね。ただ、今年中に中国南方航空が成田?南京間の直行便を就航します。これでアクセスは飛躍的に便利になります。また、現在、都市インフラを整備しており、日本人向けのホテルや24時間利用できるビジネスセンターなどの充実をはかっています。

 このほかにも、日本人学校をつくったり、南京市日本人会などの支援にも力を入れていきます。

 張:不幸な歴史を乗り越えて、南京が日中友好のモデル都市のようになってほしいですね。これからもがんばってください。

kokusei
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