中国国際放送局の王庚年局長
ご存知のように、中国国際放送局は中国で唯一の国家対外ラジオ局です。設立以来、世界に向けて中国を紹介する任務を担ってきました。リスナーのみなさんは、短波放送を通じて聴いている人が多いようです。しかし、ここ数年、状況は変わりつつあります。
今年2月27日。この日は、中国対外放送史上、記念すべき1日となりました。中国国際放送局がケニア首都のナイロビにFM放送局を開設したのです。その名も、CRI91.9。2月27日、正式に放送が始まりました。ケニアFM放送局は、中国国際放送局が海外で設立した初めてのFM放送局です。
ケニア91.5FM放送局
開局から65年、中国国際放送局は、38の外国語、中国語、および4種類の方言で放送するラジオ局に発展してきました。ところが、受信可能な地域は、さまざまな技術条件によって制限されています。ケニアFM放送局を通じて、われわれはさらにリスナーに近づくことができるようになったのです。これは、中国国際放送局の将来にとって、重要な一歩と言えるでしょう。中国国際放送局の王庚年局長は次のようにコメントしています。王庚年局長は「アジア、アフリカ、ラテンアメリカなどの発展途上国および、アメリカ、ヨーロッパ諸国の受信状況を改善するため、今後5年間、海外に50ー100のFM放送局および中波放送局を設立するつもりです。われわれはさらに良い番組を作り、リスナーのみなさんとの距離を縮めていかねばなりません。国際社会に、もっと中国のことを理解してほしいと思っています。」と語りました。
中国国際放送局副編集長兼CRI Online編集長馬為公
今日は、インターネットの時代。中国国際放送局は引き続きラジオ放送を発展させるとともに、インターネット放送にも力を入れています。中国国際放送局のウェブサイトはCRI Onlineです。各言語で対応しており、ニュース、スポーツ、文化、観光など幅広い情報を網羅しています。アクセス数は、1日平均800万人以上です。また、昨年7月からは、Inet Radioも開設。インターネットを通じて、中国語、ドイツ語、日本語などの番組を聞くことが出来るようになりました。中国国際放送局副編集長 兼 CRI Online編集長である馬為公は、次のように話しています。馬為公は「今後目指すものはいくつかあります。ひとつめは、多言語で放送していることを活かし、インターネットを通じて語学教育事業を展開することです。これについては、現在準備しているところです。ふたつめは、音楽、アニメ、動画などをもっと提供していくことです。さらに、番組の内容も充実させていかなければなりません。」と述べました。
中国経済の発展につれて、ますます多くの外国人が中国へやってくるようになりました。ある人は留学のため、ある人は観光のため、そしてある人は仕事のために。国際化社会に対応するため、中国国際放送局は国内でもさまざまな放送を行っています。世界の情報を紹介するCRI NEWS RADIO、英語放送のEASY FM、欧米のヒット曲を紹介するHIT FM、そして、外国語学習放送などです。特に、北京、上海、広州などの大都市に、リスナー層が集中しているようです。
そのほか、テレビ番組制作も行っています。毎日5時間分、国際ニュース番組を制作し、国内300あまりのテレビ局に配信しています。さらに、新聞の発行も手がけています。『世界新聞報』の発行を通じ、国際政治、経済、文化、スポーツ、教育、科学技術、社会など幅広い話題を紹介しています。こうした状況について、王庚年局長は次のようにコメントしています。王庚年局長は「中国国際放送局は、ラジオやインターネットラジオを中心に、マルチメディア化をはかっています。多くのメディアを通じて、中国と世界が交流する窓口になりたいと思っています。世界の人々に、中国や中国人のことを知っていただければと思っています。」と述べました。
今後も技術面・ソフト面での改革が進めば、中国国際放送局は2010年までに、世界でも主要な国際放送局に成長すると見られています。総合的かつ現代的な国際メディアに発展しくこと。これが、我々の目標です。
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