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音楽を通じて友好の架け橋を
   2006-04-03 14:50:15    cri

盛中国さん

 1999年、中国のバイオリニスト盛中国さんと日本人ピアニスト瀬田裕子さんは「日本外務大臣賞」を受賞しました。この賞は、中日友好のために活躍した人に対して与えられる賞です。二人は国際結婚のご夫婦で、一緒に両国で定期的にデュオコンサートを開き、「相手国にそれぞれの母国の音楽を紹介する」という活動を通じて、互いの文化交流に貢献してきました。また日本でチャリティ公演、中国の貧困地区で慰問コンサートを開くなど、精力的に活動を行ってきました。これらの貢献が評価されて、「外務大臣賞」の受賞につながったわけです。

 盛中国さんは、父がバイオリンの教師、母が声楽家という音楽一家に生まれ、長男の彼は、5歳から父にバイオリンを習い始めました。その2年後、演奏会デビュー。そして9歳の誕生日にはラジオで彼の演奏が放送され、一躍、「天才少年」と脚光を浴びました。13歳の時、中国音楽学院付属中学校に進学し、ドイツや旧ソ連の先生について勉強を続けました。そして19歳で、モスクワのチャイコフスキー音楽学院に留学。音楽界のエリートコースを歩んできました。

 瀬田裕子さんは、1983年日本の国立音楽大学を卒業して、欧州諸国で研鑽を積みました。1986年12月、第3回日本国際音楽コンクールの審査員として日本にやってきた盛中国さんと出会い、その伴奏を務めて好評を得ました。その後、二人は結婚。以後、夫の盛中国さんとデュオリサイタルを世界中で開き、高い評価を得ています。

 瀬田裕子さんは、「黄河」という曲を初めて演奏した日本人ピアニストです。この「黄河」は第二次世界大戦中の「抗日」、つまり日本との戦いをテーマとする「黄河合唱曲」を元にした曲です。この曲に対して、瀬田裕子さんは、「弾いているうちに、曲に対し、非常に感銘を覚えた。戦争は二度としてはいけない、繰り返してはならないと思う。平和がいかに大切かという、中華民族の精神がすべてこの一曲に凝縮されて、非常に魅力的な曲だと共感を覚えた」と語りました。

 あの繰り返してはならない歴史があるからこそ、今の平和を大事にしなければなりません。夫の盛中国さんは、現在の日中関係に関して、こう意見を述べました。「中日両国の間に、友好を育むべき理由は千以上があり、友好を破壊すべき理由は一つもない。そして相互理解を深めるには、民間交流を増やさなければならないと思う」。

 中国人と日本人の夫婦。そして中日をまたにかけて演奏活動を行う音楽家。そんなお二人の中日友好に果たす役割はとてつもなく大きいものです。盛中国さん、瀬田裕子さんのリサイタルは今も定期的に行われています。もし機会があれば、ぜひ一度、足を運んでみてください。

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