「菜根譚」は処世の哲理から生活、芸術、仕官の道から山林閑居の楽しまれでその解く所は幅広く、志ある者にはその指針となり、失意の者が手にすれば生きる希望が生まれ、富と貧しさの如何に関わらず心の平安を得ることができます。作者ー明朝の文学家。哲学思想家である洪応明は「儒釈道」を基礎とした中国の歴史、文学、学派、宗教、哲学などのあらゆる分野に精通し、この名作の題名の通り「咬得菜根,百事可做」の志を通した人物です。この言葉は二つ通りの解釈ができます。一に、堅くて筋が多いが発生の根源である菜根をよく咬み、真の味わいが分かれば百事をなせるという意味であり、二に野菜を咬むような質素な生活の中でこそ自身の内面と向き合え、世の中のことが見えて来るという意味です。
「菜根」は、今現在の経営者の中に居る、哲学思想も博愛の精神も仁義道徳も何も持たず、お金さえ儲ければ何をしてもいいという経営方針などを持つ方々には何より必要な薬なのではないでしょうか。
確かに牡丹や桜は美しいですが、蒲公英の役目は小さくありません。私が思うには、蒲公英は他の花より目立たず、自慢もできないですが、ただの雑草と違い、しっかり自分に対する自信があり、人類にも役立っています。
柔らかく軽く愛らしい蒲公英の種には強い生命力が宿っています。春風に吹かれて、冠毛がついた小さい種は、風に乗ってどこへでも飛べ、どこに行っても強く根付き、生きていけます。ある意味、我が在日中国人の真実の姿ではないでしょうか。
また、蒲公英の若い葉はそのまま食用にできますし、乾燥すれば解熱・健胃の漢方薬としてとても有利なものになります。それならば、私は喜んで蒲公英の種になって、もっと蒲公英を増やすべきでしょう。
私は蒲公英の種として、一生かけて日中友好交流を続けていきます。
*「立人做事」:まず人間として正しくあり、それから何事かを為す、ということ
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