大学の四年生ごろから、自分の表現したいことは何だろう、また、自分自身とはなんだろうという問いかけが生まれ、水墨画は水墨画、油絵は油絵と二分して考えていた私は、どちらも大切だということに気付きました。絵画を、技伝や伝統にとらわれずに。自分の表現したいことを素直に表すものと決めました。これば今まで多くの国を訪れ、また日本でいろいろは人に出会った経験から生まれたもののように思います。私は外国人として、日本で絵を描いている、そういった意識をすてて、もっと大きなもの、たとえば私は人類の一員として絵を描いている、そんな風に思って絵を描こうと考えるようになりました。
博士課程では、三年間のうちに、絵画制作と論文を両方とりくまねばならなかっだので、とても忙しかった"です。この三年間は徹夜した日の方が多かったのではないかという気がするくらい、忙しかった。絵画制作と論文のテーマは、水墨画、油絵を問わず。絵画というものについて取り組んだものです。学生時に悩んでいた、水墨画と油絵、東洋と西洋といった区分けをしないで、絵画それ自体のガを証明しようとしました。これは現在の制作に繋がっています。
私は中国人で、そして日本で創作活動していますが、日本と中国は同じアジア圏で、それに対して西洋があるといった考え方は持っていません。美術や絵画、いや芸術は、国の枠組みを超えて見る人を感動させるものだと思っています。その国の歴史、習慣を知らなくても、すばらしい絵の前に立つと感動する、これは人類普遍の財産だと私は考えています。中国人として、というのではなく、一人の絵描きとして、一人の人間として生きていきたいと思っています。私の描く絵が、国を問わず見る人に、何かしらの感動 (感動というまでもなく、何かの印象)が与えられればよいと思っています。
|