中国は人口が多いわりに医者が少ないという現状があるので、自分の身は自分で守るという意識がしっかり根付いているのでしょう。中国古代の医学事にも 「発病の後に治療するよりは、疾病の前に養生するに限る。病気になってから薬を飲むのは徒労だ」と書かれているくらいです。病気の予備軍状態のことを未病といいますが。その状態のうちに自分で養生して病気になるのを防いでしまったぽうが合理的だ、という中国らしい考え方といえます。
その養生の基本は、意外に思われるかもしれませんが、自分の感情コントロールです。日々の感情が五臓六腕に影響を与え、知らないうちに心身を傷つけているからです。
最近、「中医心理学」が確立し、中医学における感情と体の関係がますます解明されてきました。心は体の状態をあられ表す鏡で、体の異常が心の乱れに表れてくることがはっきりしたのです。ストレスのような心因性の疾患は、中医学が最も得意とする分野です。
少し脱線しますが、西洋医学では不治の病と診断される難病も、体を部分ではなく全体から見ていく申医学で診断すると希望が見えることもあります。それから、腰痛などに多いのですが、「痛いのは老化だからしかたがない」と病院でいわれても、あきらめるのはやめてくださし)。変形はしても痛みが出るのは異常ですから、治療の余地はあるはずなのです。私は 「老化だから」と切り捨てるのはあまり好きではありません。
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