ある撮影のツアーと一緒に内蒙古に行ったときの出来事です。地元の小さな町の果物市場に行くと、遠くから40代ぐらいの女性がトラッタに乗って、大声で梨を売っていました。みずみずしい梨は大きな網袋に5キロほど詰められて、?袋13元 (約200円)で売っています。その女性は"梨! 梨!"と叫びながら声をかけていますが、値切っているお客さんに向かって "一銭もまけない、買うなら早く買って、買わなかったらどいてくれ!"と強い口調で言っていました。そのとき私は"おばさん、この梨甘いですか?"と聞きました、するとその女性は私たちを見て"どこから来たの?"と聞きました。"日本です"と答えましたら、いきなり?袋を私のほうに投げ下ろして、"とても甘い梨です、食べて、日中友好!"といいました。いまだにその時にご一緒したお客様は"あの時の日中友好の梨は美味しかったですね。"とよく言っています。これも中国の国民性です。このような例は数え切れないほど多いのです。
以前から海外旅行好きな方々の中には一つの傾向があります。それは、中国とインドは?度行くとやみつきになるか、あるいほ二度と行きたくないかです。この二つの国は観光客に提供しているサービスの便利さが欠けているほか1こ観光客の適応力と、ものに対する見方、考え方の問題もあると思います。インドといえば、数年前にお客様がインドのある寺院に参拝をしにおみえになったときのことです。入りロで靴を脱いで中に入りました。(インドの寺院に入るとき必ず靴を脱ぎます)参拝を終え、出ると、自分の靴がなくなっていました。とても困っていた矢先に、入りロから少し離れたところで自分の戦が売られている。そのお客様は"助かった、助かった,といいながら、自分の靴を買って旅を続けました。これは旅の出来事だと考えたその方にとって、一生の思い出と話題になるのに違いないでしょう。
又、添乗で敦煙に行ったときのことです。私たち?行は敦煙の空港から飛行機にて西安へ移動する予定でしたが、飛行機に乗って間もなく、機材故障で修理すると知らされました。機内空調がついていないため、待っている間に皆汗びっしょりになりました。約二時間待った挙句に安全のため、フライトキャンセルという知らせが出ました。空港から市内に帰るバスの中で車内の空気は言さまでもありません。そのとき、私は笑顔でマイタを取り、"皆さんようこそ敦煩にいらっしゃいました"と明るくいいました。すると車内の雰囲気が一転しました。私は続けて "中国の航空会社はお客様の安全を第一に考えています。キャンセルをしたのは皆様に責任を持っているからです。それに、皆様は一生のうち何回敦煌に来られますか?今回は一泊の予定でしたが、おまけに二泊できるのです。良かったと思ってはどうでしょうか?"こうした?言で、次の仕事がしやすくなります。
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