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虹のような架け橋になる(孔怡)
   2005-10-14 14:18:25    cri
 日本に来て何年になるのですか、という質問に、いつも戸惑いを感じるのです。なぜなら、日本滞在歴はもうそろそろ20年近くなりますが、もうそんなに長いのか、とその実感がまだ伴わないからです。

 上海出身の私が1985年に上海外国語大学を卒業してから、上海大学で一年間日本語の先生を経験して、日本にやってきました。東京での7年間の生活は長いようで、とても短かったです。ちょうど80年代の後半、日本はバブルの後期に入り、アジア全体は中国をはじめ、経済が成長の芽生えをし始めた頃。日本社会全体が欧米一辺倒から身近なアジアに目を移し、メディアも欧米向けに日本からアジアを発信するのではないかとのムードが高まり、NHKの衛星放送がテストの段階に入ったのを機に、アジアのニュースをリアルに放送するようになりました。NHK衛星放送の中国CCTV新聞聯播の放送通訳を始めたのが私のメディア人生のきっかけとなりました。そのほかにもNHK報道番組の通訳、当時の会長の中国語通訳、そして、日本新聞協会と中国の定期交流の通訳など、めまぐるしい忙しい日々を送りました。その意味で7年間の東京生活はあっという間でした。

 1993年、東京から生活の場が関西に移り、NHK大阪のテレビ報道番組「アジアマンスリー」のキャスターを6年務めたおかげで、阪神淡路大震災の取材、華僑の取材などを通じて、関西をより深く理解することができました。関西の国際化を図るためにできた多言語放送局FMCOCOLOで申国語と日本語のう、ジオ番組も担当し始め、豊中国際交流協会の理事や自治体のさまざまの委員も務めながら、文化・経済交流の手伝いにも同時に携わっています。

 印象に残ったのは、2002年の日中国交正常化30周年の年、 「中国愛楽楽団」の関西記念公演、特に神戸記念公演のコーディネートをボランティアで手伝い、その経験が翌年の神戸?天津友好都市30周年の天津記念コンサートと日中友好条約締結25周年を祝う北京日本大使公邸でのピアノリサイタルのコーディネートに役に立ったこと。友好交流を記念する場で和やかな雰囲気の中、参加者たちの笑顔が忘れられないのです。

 2004年は私のふるさとである上海と今滞在している大阪市の友好姉妹都市30周年の節目の年。大阪を上海の皆さんにもっと知っていただこうと雑誌、新聞、そして、テレビドキュメンタリ?番組の企画をし、秋にその実りの喜びを味わいました。同時に上海広播台新聞チヤンネルとFMC0C0L0を結んで、10月の大阪御堂筋パレードの日に上海?大阪二次元同時生放送特別番組 「大阪?上海八道道」を日中両言語という、パイリンガル放送を企画提案、出演をし、両市長のコメントを盛り込んだ形で実現でき、両市で大いに反響を呼びました。ここまで来て、改めて、ますます自分のやっている仕事の意義を感じさせられ、これからの進む道がはっきり見えてきたような気がしました。

 こんなエピソードがあります。

 中国からの皆さんを迎えて、タクシーに乗って、にぎやかに交わされる中国語の会話を聞いた運転手さんは、皆さん中国から来たのと、嬉しそうに自分の知っている中国のことを自慢話として聞かせてくれました。最後に、これは、毎週月曜日のNHKラジオでコウィさんの中国リポートを聞いて知ったのよと言った途端、かんなが笑い出して、隣に座っているのはコウィさんだよと教えてあげました。初めて自分の持っているNHKのラジオ番組のリスナーとの対面。感激しました。FMCOCOLOの中日パイリンガル放送に寄せていただいたリスナーたちのメッセージを思い浮かべながら、地道な等身大の交流は小さな花として、ちりばめながらちゃんと立派に咲いてくれていることを確信しました。

 大学時代の日本語スピーチコンテストで 「言葉は心の架け橋」と題したスピーチをしたことがあります。振り返ってみて、今までがんばってきたこと、いま、幅広くやっており?見ぜんぜん違うように見える仕事でも、全部架け橋の役割をしているのではないでしょうか。

 そう、これからも、一生を掛けて、心と心を結ぶ虹のような架け橋を目指してがんばっていきたいと思います。

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