中国の問題は世界の問題に直結してきています。このことは、中国経済の国際化の進展と大いに関係があります。その最先端には、中国が国家戦略として推進している「走出去」、即ち、中国企業の海外展開があります。
2004年の中国の対外投資額(実行ベース)は前年比27%増の36億2000万ドルと急速に伸びました。対内投資額に比べると、6%足らずと少ないものの、今後急速に増加する情勢にあることは明らかです。
ところが、目下、世界は中国の対外展開にやや警戒的です。聯想集団によるIBMパソコン部門のM&A、前出のユノカルM&Aの時には、国家安全上問題だとして、米国議会などから横槍が入りました。海南航空がハンガリー航空をM&Aしようとした時も、待ったがかけられました。
オーストラリア、インドネシア、ブラジルなどの鉱物や森林資源の権益を確保しようとしたり、石油資源を大量輸入(中国は世界第2位の石油輸入国)しようとすると、世界の資源を買い漁っているとか、資源価格を吊り上げているとか、何かと注文をつけられるケースが目立ってきています。
ーー「人民中国」より
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