米国の301条調査の名の下での中国製品に対する高額関税を課す措置の発表後、中国側が対等の報復措置を打ち出したことで、中米貿易摩擦はエスカレートの様相を見せています。これについて、中国の複数の専門家らは、「米国の標的は『中国製造2025』であり、中国の産業グレードアップを支える機械・電力設備製品に打撃を与えることで、中国の関連産業のハイエンド化を阻止しようとしている」との分析を行っています。
米国の関税追加リストに盛り込まれた多くの製品は、ITと通信技術、宇宙航空、ロボット、医薬、機械など、中国が「製造業強国」の戦略目標を目指して打ち出した『中国製造2025』の行動綱領にそのまま重なるものです。これについて、中国マクロ経済研究院対外研究所の葉輔靖所長は、「第一に、米国側の関税追加対象はいずれも中国の産業グレードアップを支える機械・電力設備製品に集中している。第二に、リストにある工業ロボットや液晶パネル、太陽電池、鉄道設備、飛行機のパーツ、薬品などの製品については、中国の対米輸出規模は大きくないどころか、米国からの輸入額を遥かに下回っている。しかし、これらはいずれも、今年中国本土で競争力が著しく上昇している重点業界であり、『中国製造2025』の重点業界でもある」と語りました。更に、識者らは一様に、米国が輸入する中国製品には靴や帽子などの消費財が多いにも関わらず、貿易赤字の解消という建前の下に中国のハイテク商品に制限措置をかけてきている点から、その目的は明らかであるとの見方を示しています。
米国の挑発と圧力に対し、中国が力強い報復を行う自信はどこからきているのでしょうか。中国マクロ経済研究院の畢吉耀副院長は、「中国の経済モデルは既に過去の輸出主導や投資と輸出による牽引から、消費・投資・輸出の協調牽引へと転換を遂げており、内需が支える形へと姿を変えている。この角度から言って、我々にはそうした自信もあり、理性的な対応もできる。中国のGDPは世界のGDPの15%を占めるようになっており、世界の経済成長への貢献度も30%に上っている。これらは全て我々の自信であり底力と言える」と述べています。(Lin、む)
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