中国西部で、生態安全の障壁とされているチベット。深刻な貧困状態である地域が集中している自治区でもあります。ここ数年間、チベット自治区は一連の生態保護プロジェクトが実施され、また経済開発や暮らしの改善事業とも結びつけて、美しい地域づくりに取り組み、貧困者の所得増に力を入れています。
高原の酸素バーと呼ばれる林芝(ニンティ)市。チベットの南東部、ヤルツァンボ江の中流に位置し、3つの国家森林公園を有して林業保護区は393万ヘクタール、森林被覆率は50%近くに達しており、チベットの生態安全障壁の大きな部分をなしています。地元ではここ数年間、生態保護と貧困支援を結び付け、貧困者層を優先的に環境対策事業に従事させて、1人当たりの所得を1500元余り増加させています。
また、チベット自治区の南西部、シガツェの北西部、、ヤルツァンボ江の北岸にあるシェートンムン県では、生態環境の向上を受けて、漢方薬の栽培拠点を設けました。ヤルツァンボ江沿岸の砂漠地帯に、キバナオウギなどの漢方薬の原料になる植物を栽培して、砂漠の緑化を図り、生態環境が改善したほか、現地に大きな経済効果を与え、農民や牧畜民の貧困脱出を促進しています。(殷、森)
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