米国のトランプ大統領は3月31日、貿易赤字問題を踏まえ、貿易政策の調整準備に向けて2つの大統領令に署名しました。

　大統領令では、米商務長官と通商代表に対し、米国と他国との2国間貿易の赤字の原因や米国の生産能力、製造業、国防産業の基本能力、雇用、所得などに対する貿易の影響を分析し、また、米国の安全を損なう可能性のある輸入や貿易活動を確認したうえで、90日以内に調査報告を提出するよう求めています。

　もう一つの大統領令は、米税関・国境警備局に輸入記録のない輸入業者や反ダンピング関税などを全額または期日通りに支払っていない輸入業者から、保証金や他の方法で納税を確保できるようにするため、国土安全保障省に90日以内に計画を作ることを求めています。

　これに対して、多くの学者は「貿易赤字は米国の経済と2国間貿易の評価基準にならない」として、貿易赤字に対するトランプ政権の考え方に否定的な見方を示しているということです。（鵬、星）