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李可染画院学術展、デジタル版画で日本美術史の歩みを再現

2016-11-22 11:44:05     cri    

 東方美術史に焦点を当て、中日両国における美術の交流と比較をテーマとする学術展『異・同』が20日、李可染画院、中日人文交流センターなどの主催で、北京にある美術研究機関『李可染画院』で開幕した。

 日本の公立美術館が収蔵する中国の古代絵画、日本の中国風唐絵、絵巻物、浮世絵などがデジタル版画の形で再現され、陳列される。

 同画院は伝統の継承、美術理論に関する学術研究への重視から、2014年には中国の古代美術作品に特化した『絵巻百展』、2015年には日本の浮世絵に関する特別講座をそれぞれ開催している。今回の学術展はその延長線上での企画という位置づけになる。

 展示会のチーフディレクターは李可染画院の李庚院長(李可染氏の御子息)。現在、日本の京都造形芸術大学で教授を務める李氏は、「芸術の交流は、民間の友好往来と相互理解の重要な一歩だ。日本の美術は、古代には中国大陸、近代以降には欧州の影響をそれぞれ受けているが、そのどちらの文化とも異なった独自の特徴があり、ユニークな芸術体系を形成している。今回の学術展は、こうした日本美術を至近距離で観察できる場にしたい」と企画にかけた思いを語る。

 展示に使われたデジタル版画は、同画院文物書画研究室の趙魯濱主任(61歳)が一年間かけて制作したものだ。安徽省涇県での専用紙の製紙工程から、劣化防止加工のコーティング技術、表装など、独自に研究を重ねた一連の技術が生かされている。

 開幕式の後に行われた趙氏の特別講演では、古代中国人画家の作品が日本の作風に及ぼした影響、年代やジャンル別の日本美術の特徴、そして、デジタル版画の制作手順、技術開発の現状が説明された。

 「中国では、日本文化は中国の模倣に過ぎないという見方がある。本当にそうだったのかを現物を通してみてもらいたい。学術交流と比較は、中国の近代絵画をより客観的に見つめることにもつながる。そういう意味では、今回の展覧は美術関係者に一番見に来てほしい」と趙氏は語る。


デジタル版画を制作中の趙魯濱氏

 李可染画院(大興区西紅門星光公園1号、公式サイト:http://www.likeranhy.com/ )は2012年8月に設立された国家クラスの美術研究機関。中国を代表する画家・李可染(1907-1989)の名前にちなんで命名された。

 学術展「異・同」は11月30日まで、同画院美術館で無料で公開される。(取材:王小燕)

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