16日早朝1時40分、甘粛省の酒泉衛星発射センターで、世界初の量子科学実験衛星「墨子号」を載せた運搬ロケット「長征二号丁」が打ち上げられました。この打ち上げの成功により、中国は世界で初めて、衛星と地上の間での量子通信を可能にします。今後、宇宙と地球を一つに結ぶ量子暗号通信と科学実験システムが構築されるだろうということです。

　関係筋によりますと、量子衛星の主な科学目標は主に2つあり、一つは宇宙と地球間の量子鍵配送実験や、より広域的な量子鍵ネットワーク実験を展開して、量子通信の実用化に向けた突破口を見出すこと。もう一つは、量子もつれ実験などを通じて、宇宙で量子力学理論を実証することだということです。

　なお、今回の発射では、「墨子号」のほかにも、中国科学院が開発した大気科学実験衛星と、スペインの科学実験小衛星も同時に打ち上げられています。衛星は軌道に乗って約3ヶ月のテスト期間を経たあとで、実際の運行段階に入ります。（朱、謙）