安倍首相はイタリアとフランスの指導者とそれぞれ会談した際、何度も南海問題に言及し、今月末に開かれるG7サミットで南海問題の討議を提案しています。一方、岸田外相はタイ・ミャンマー・ラオスなどの国を訪れた際、南海問題の緊迫性を絶えず強調し、中国の南海における所謂「軍事化」に懸念を表しています。
こうして南海問題を煽り立てるほかにも、日本は実際の行動で当該地域への影響力を拡大しようと狙っています。例えば、フィリピンの南海でのパトロール能力を強化させるため、海上自衛隊の練習機「TC90」5機をフィリピン側に貸与したこと、海上自衛隊とフィリピン海軍による合同軍事演習を行ったこと、軍艦を派遣してフィリピンとベトナムを訪問し、スービック湾やカムラン湾に寄港したりしたことは、いずれもその思惑を裏付けるものです。
専門家は、こうした南海問題をめぐる日本の一連の行動は、伝統的な「中国抑制」政策によるもので、日本の「都合」が根底にあると分析しています。具体的には、
① 南海問題をもって「中国脅威論」を煽り立てることで、安倍内閣に憲法改正と軍事拡張の口実が作れること。
② 南海問題で中国を牽制することで、釣魚島問題における「アドバンテージ」が生まれること。
③ 南海問題をもって中国とASEAN(東南アジア諸国連合)諸国との関係に水を差すことができれば、東南アジアにおける日本の影響力を拡大できること。
④ 日米同盟関係上の必要性から、南海問題における米国のアジアへのリバランス戦略に協力しながらも、その動きを通じて、日本の国際的地位や、国際海洋秩序の構築における影響力を高めること。
等があるとしています。
しかし、南海問題における日本側の行動は、当該地域の安定と発展にはつながらず、事態の複雑化とリスクを招くことになることは明らかです。
これについて、中国政府は「南海問題をめぐる紛争は当事国の交渉によって平和的に解決すべきだ」と重ねて表明し、「域外国家は南海地域の平和と安定に建設的な役割を果たし、事態の沈静化を図るべきだ。日本もまた、南海情勢の安定に資する働きかけをし、自国の私利のために、地域情勢の複雑化を招くようなことは控えてほしい」と、幾度となく呼びかけています。(05/09 Lin む)
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