日本語の辞書をひくと、「ユースホステル=青少年旅行社のための、健全で格安の宿泊施設」とあります。ユースホステルは20世紀のはじめごろドイツで誕生した、経済的な旅のための宿泊ネットワークです。男女別室の相部屋が基本で、ひと部屋が4人から8人くらい。相部屋が苦手な人のために、個室を完備しているホステルもあります。食事やベッドメイキングなどはすべてセルフサービスになりますが、その分宿泊料金は格安となっています。
ユースホステルの目印は、青い三角形に一本松と小さな家が書かれたマークです。このマークがついた宿泊施設が、世界80カ国に4000軒以上あると言われています。ユースホステルは会員制ですが、会員証は世界共通ですし、観光施設によっては割引を受けられるなどの特典もあるようです。
全世界で1日1000万人が利用すると言われるユースホステル。最近は、中国を旅する人の間でも人気です。
北京の老舗ユースホステル「北京シティセントラルユース」は、北京駅正面という立地が受けて、いつも多くの宿泊客でにぎわっています。このユースホステルでは、観光情報センターやキッチン、洗濯機のほか、インターネットカフェやお酒が飲めるバーなど娯楽施設も併設しているのが魅力です。さらに、レンタサイクルの貸し出しをしてくれるのも宿泊客から好評です。このホステルに長期滞在しているイギリス人のブラドシャーさんは、「私は何回も北京に来たことがある。今は、このユースホステルに長期滞在している。北京の観光は、自転車が最も便利だと思う。坂道がほとんどない。だから、このホステルのレンタサイクルは非常に便利だ。近場へ行くのはもちろん、天気のよい日は、自転車で万里の長城など郊外まで行くこともある。体を鍛えながら、北京の景色を満喫することができる。また、街を散策するのも面白い」と語ってくれました。
続いてご紹介するのは、北京市北西部の中関村にある「未名インターナショナルユースホステル」です。大学が多く集まる中関村のユースホステルだけあって、利用客の大半は若者。若者のニーズに応じたサービスを提供しているようです。河北省からやってきた大学生の許ショウショウさんは「このユースホステルの最大の魅力は、部屋でインターネットを無料で利用できることだろう。自分のノートパソコンを使いたいなら、回線のみの利用も可能。格安の宿泊施設で、インターネットの無料サービスがあるところはなかなかないから、本当に便利だ」と語りました・
中関村という場所柄、大学生や、大学を受験しに来た高校生が利用するケースが多いのだそうです。学生証を提示すれば宿泊料金が割引になることもあり、学生にとっては最適のユースホステルと言えます。また、近くには頤和園や円明園などの見どころが多く、観光にも便利です。
さらにこのユースホステルでは、さまざまな活動を行っています。最近では、中国の伝統工芸「切り紙」の展示会を行い、切り紙作りの体験コーナーも設けられ、好評だったようです。
「広済・隣インターナショナルユースホステル」というホステルは北京市中心部の古い住宅地の中にあります。あたりには昔ながらの古い長屋が残っていて、まるで100年前にタイムスリップしたかのような気分が味わえます。北京の伝統家屋は通称「四合院」と呼ばれています。「広済・隣インターナショナルユースホステル」は、まさにこの四合院を改築してできたユースホステルです。
この「広済・隣インターナショナルユースホステル」のベッド数は全部で30のみ、非常にアットホームな雰囲気です。中庭では、各地からの観光客がテーブルを囲んで語らう光景が常に見られます。また、ホステルの周辺は市民が暮らす住宅街で、木の下ではお年寄りが将棋を打っていたり、子供たちが元気に駆け回ったり、生活感あふれる光景を目にすることが出来ます。北京の庶民生活に関心のある方にはお勧めのユースホステルです。
このほか、北京にはまだ多くのユニークなユースホステルがあります。値段についてはホステルによって違いますが、8人部屋なら1泊は大体50元、日本円にすれば650円から700円ぐらいです。また時期によって、値上がりする場合もありますから、その時はホステルに確認したほうがいいでしょう。なお、インターネットで予約することもできますので、ぜひそちらも利用してください。詳しい情報は北京ユースホステルのホームページをご覧ください。アドレス:www.yhachina.com
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