1969年、北京の東西を貫く地下鉄1号線が開通しました。地下鉄1号線は北京のメインストリート「長安街」の真下を通る路線で、「天安門」や「王府井」などの観光スポットを結びます。
その後は2号線も開通。2号線は「環状線」とも呼ばれており、明・清代の城壁跡に沿って市街地を取り囲むように延びています。「北京駅」「建国門」「西直門」「復興門」など18の駅を結びます。
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天安門 |
王府井 |
なお、1号線と2号線は、「建国門」と「復興門」で乗り換えが可能です。
北京市の発展に伴い、地下鉄路線は郊外にも延びはじめています。2003年初めには、北郊外のベッドタウンを結ぶ逆U字型の路線・13号線が開通しました。さらに同年末には、1号線からさらに東へ延びる「八通線」が開通しています。
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天壇公園 |
雍和宮 |
この4つの路線に加えて、これから、北京の地下鉄はどんどん拡張されていく予定です。まずは昨年10月、5号線が開通しました!この5号線は、北京の目抜き通り「王府井」の東側を南北に延びる路線で、全長は27.6キロ、「崇文門」や「東単」、「東四」、「雍和宮」、「天壇公園」、「アジア大会村」など23の駅を結んでいます。北と南を直線でつなぐ路線は、これまで北京にはなかったので、市民にとっては移動が便利になりました。また、5号線は昨年できたばかりの新しい路線ですから、駅もピカピカできれいです。転落防止用のホームドアが取り付けられていたり、冷房完備の新型車両が導入されていたり、とても快適です。
そして、5号線に次ぐ新たな路線がこのたび開通しました!今回は3本一挙に開通とあって、注目されています。それは10号線、空港線、オリンピック支線の3本です。
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空港線 |
空港線 |
10号線は全長24.6キロ、北京市の北側から東側をグルッと囲むように延びています。その10号線から乗り換えできるオリンピック支線は全長4.5キロ、オリンピック会場エリアや森林公園をつなぐ、北京オリンピック専用路線となっています。そして、空の玄関・北京首都国際空港と北京市内を結ぶのが空港線です。全長28.1キロ、市内まではたった16分と快適になりました。渋滞の多い北京での移動がグンと楽になりました。
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オリンピック支線 |
アジア大会村 |
その中のひとつ・オリンピック支線は、オリンピック観戦にいらっしゃる方には、非常に便利です。そして、このオリンピック支線は駅のデザインがなかなか凝っています。ほかの路線とは違った、独特なデザインが話題となっています。オリンピック支線の空間デザインを担当したデザイナーの師葉寧さんは「オリンピック体育センター駅は、国家体育場や国家水泳センターからも近いです。そのため、パワーを感じさせるようなデザインを考えました。実際駅の構内に立ってみたら分かりますが、形の異なる三角形がいくつも重なって、山型の天井を形作っています。このようなデザインは、力学と芸術が織り成す美しさだと思います」と語っています。
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北土城駅=青花瓷駅 |
北土城駅=青花瓷駅 |
このほか、オリンピックメイン会場の北側に森林公園が広がっていますが、この最寄り駅となる「森林公園」駅のホームは、木の幹をかたどった柱、そして枝をいっぱい広げた木のようなデザインの天井が印象的な、まるで森林の中にいるような空間になっています。また、「北土城」という駅は、近くに元の時代の城壁跡があることから、中国の伝統工芸「青花瓷」の模様をデザインに取り入れているということです。
現在、8本の地下鉄路線が北京の各観光スポットや繁華街などをつなげています。今度、北京にいらっしゃるときは、快適で楽しい地下鉄の旅をしてはいかがでしょう?
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