最近、北京の街で、レンタサイクルで観光している観光客をよく見かけます。実は、現在北京市内には、あわせて100ヶ所以上のレンタサイクル営業所があります。営業所は主に、地下鉄の出口付近や繁華街、ホテルの近くなどに分布しています。あわせて5万台の自転車を用意していますので、「借りられなくて困る」ということはないでしょう。
利用料金は1時間5元(90円ぐらい)、4時間で10元(160円ぐらい)、まる1日だと20元(320円ぐらい)です。デポジットとして、はじめに400元(6400円ぐらい)が必要となり、返却時に清算するシステムです。基本的に、自転車は借りた営業所に返却しますが、ほかの営業所に返却する場合はクレジットカードで清算することも可能です。ほかの手続きは特に必要ありません
レンタサイクルはほとんどが新車で、普通の自転車とマウンテンバイクの2種類から選ぶことができます。北京市内は坂道がほとんどありませんから、自転車の旅は快適だと思います。
初めて北京を訪れる方は道が分からないと不安に感じるかもしれませんが、その心配は要りません。営業所では、自転車の貸し出しと同時に、無料で地図を配布しています。この地図には、自転車観光のためのコースが記されていて、効率よく北京の見どころを回ることができます。また、オリンピックとパラリンピックの開催期間中は、街頭にボランティアが待機しています。道案内や外国語通訳のサービスを無料で行っていますので、こちらも利用してほしいです。
北京は地下鉄やバスもありますが、自転車だと小回りが利きますし、何より自分のペースでいけるのがいいと思います。特に北京には「胡同」と言って、狭い路地が入り組んだ古い街並みが残っています。この「胡同」には、歴史上の人物の旧居や隠れた名店が多くあります。こういう場所には、地下鉄やバスよりも断然自転車のほうが便利だと思います。
お勧めのコースは2つあって、まずひとつは北に向かうコースです。このコースでは、北海・后海・什刹海の3つの湖を回りながら、北京の伝統文化を楽しむことができます。北のコース周辺には、鼓楼や鐘楼のほか、300年の歴史を持つチベット仏教寺院「雍和宮」もあり、立ち寄ることが可能です。
また、南へ向かうコースもお勧めです。このコースでは、骨董品や絵画などの店が集まる「琉璃厂」から、多くの老舗が軒を連ねる「大柵欄」を回ります。このほか、最近リニューアルオープンしたばかりの「前門」という商店街や、天安門広場、故宮を回ることもできます。
オリンピック期間中というよりも、これから秋に北京へいらっしゃる場合は、自転車の旅が気持ちよいかもしれません。目的地を決めず、のんびりと街を走るのもいいでしょう。団体ツアーでは観ることのできない、庶民的な北京の表情を楽しむことができると思います。
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