葡萄溝は、新疆ウイグル自治区トルファン市から北東13キロのところにある峡谷に位置します。ここは葡萄の生産地として、その名が国内に知られています。葡萄溝は奥行き8キロ、幅0.5キロで、両側は植物も育たない険しい崖となっています。しかし、溝内は緑いっぱいで、葡萄のほかに、ザクロ、イチジクなどの果樹も育っています。ここは空気がきれいで気温も涼しく、有名な避暑地でもあります。
葡萄溝は20万年前、地形変動によってできました。近くには火焔山がありますが、この山には植物が生えておらず、その表面温度が非常に高いことで知られています。しかし、地面より低いところにある葡萄溝は涼しいうえに気候が穏やかで、農業もでき、非常に対象です。
葡萄溝には、400ヘクタールの葡萄畑があります。ここに植えられている葡萄は、「無核白」(むかくはく)と呼ばれる緑色の種無し葡萄、細長い緑色の房が特徴の「馬ダイ子(馬の乳房)」、赤葡萄など200種類もあるとのことです。ここでは、葡萄の年間生産量が600トン、干し葡萄の年間生産量が300キロにのぼります。特に「無核白」の干し葡萄は甘酸っぱく、国内の市場でも高く評価されており、「中国の緑の真珠」と呼ばれています。
葡萄溝は昔から葡萄酒の有名な生産地です。近年、葡萄加工産業の発展にともなって、葡萄溝とトルファン市内に、近代的な葡萄酒製造工場も建てられました。現在、「楼蘭」や「紅柳」といった地元ブランドが国内消費者の間で人気があるほか、日本などの外国にも輸出され、愛飲されています。
葡萄溝は、葡萄をテーマとする観光業を振興するため、1981年葡萄溝にテーマパークを作りました。オープンから27年、このテーマパークは、観光・ショッピング・娯楽・飲食などが楽しめる国家級観光景勝地となっています。
葡萄溝では葡萄狩りを楽しめるほか、葡萄民俗館、民謡歌手・王洛賓の記念博物館などを見学することができます。(担当:任春生)
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