中国国際放送局は、5月14日から、クイズ番組「美しい広西」をお送りします。この番組は5回シリーズで、毎回2問のクイズを出題します。合計10問分の解答を書いてお送りいただいた方には、抽選で素敵なプレゼントを差し上げます。1等賞、2等賞、3等賞のほか、特別賞として広西チワン族自治区への旅をご用意しています。ぜひふるってご応募ください。 あて先は、〒100040中国北京市中国国際放送局日本語部「中国の旅・美しい広西クイズ」係です。 Eメールでも解答を受け付けています。アドレスはnihao2180@cri.com.cnです。締め切りは、郵便の場合は2008年10月6日当日消印有効、Eメールの場合は2008年10月6日の午後12時までです。 応募の場合は、お名前、連絡先を明記してください。お待ちしています。
シリーズ第2回「『白頭葉猿』のふるさとへ」
広西チワン族自治区崇左市の山間部に「白頭葉猿」という貴重なサルが生息しています。このサルの特徴は、その白い毛です。頭や首、肩、尻尾は毛が白くなっています。
「白頭葉猿」がこの一帯に生息し始めたのは、およそ250万年前と言われています。それほど昔から生き延びている生物は、このあたりでは「白頭葉猿」だけです。「白頭葉猿」の数は、全部でおよそ700匹。その大半が広西チワン族自治区で生息しています。
広西チワン族自治区崇左市には「白頭葉猿生態公園」があります。総面積は24平方キロメートル、およそ400匹の「白頭葉猿」を保護しています。
園内では、エサとなる植物や果物を食べたり、飛び回って遊んでいるサル達の姿を見ることが出来ます。
また、「白頭葉猿」は地元の住民達にも親しまれています。地元の住民の家で、村に伝わる「白頭葉猿」の伝説を聞かせてもらいました。
子供の白頭葉猿 大人の白頭葉猿
その昔、この村は非常に貧しく、村の住民達は飢えに苦しんでいました。そんなある日、ひとりの老人が亡くなってしまいました。このあたりの習慣では、人が死んだとき、頭や腰などに白い布を巻きつけて弔いの意を表します。老人が亡くなったときも、村の人々は体に白い布を巻きました。老人の亡骸は、山の中に埋葬されました。埋葬が終わったとき、あたりを見ると、木々にはたくさんの果実が実っていました。村に帰っても食べ物はありません。ですから、子供達はたいそう喜んで、果実を食べ始めました。大人達はそれを見て、子供達がここに留まれば飢える心配をしなくてよいと考えました。大人達は子供達をその場に残して、村に帰りました。
その後、この村は徐々に豊かになりました。大人達は、子供達を迎えに山の中へ分け入りました。しかし子供達は、「私達が村に帰ったら、また食べ物の奪い合いが起こる。だから、私達はここに残りたい」と言いました。大人達は、子供達の希望を受け入れました。
やがて時が経ち、子供達は大人となり、結婚して子供を生みました。そんな中、彼らの体は、徐々に形を変えていきました。昔、老人を埋葬したときに頭に巻いていた白い布は白い毛となり、腰に巻いていた白い帯は白い尻尾となりました・・・。
これが、「白頭葉猿」の伝説です。
さて、北京大学のハン文石教授は、10数年前から崇左市で「白頭葉猿」の研究・保護に取り組んでいます。ハン教授によると、「白頭葉猿」の生活は非常に規則的なのだそうです。朝と夕方は活動時間で、山の中で遊んだり、食事をしたりします。昼間と夜は休息の時間で、木の上やほら穴の中で眠ります。
しかし「白頭葉猿」は、絶滅の危機に瀕しています。ハン教授によると、1990年代初頭、この一帯には少なくとも2000匹が生息していました。しかし、その後は急激に減少し、1996年には90匹しかいなくなりました。生息数激減の原因は、人間による過度な生産活動と見られています。山を焼き、田畑を開墾したことで、野生動物の暮らす土地が無くなってしまいました。また、違法な乱獲も激減の要因のひとつと言われています。サル達の生息地を元通りにし、違法な乱獲を取り締まれば、「白頭葉猿」の数はまた増えるでしょう。たとえ絶滅の危機に瀕していても、時間をかけて取り組めば、解決できるはずです。
「白頭葉猿」を絶滅の危機から救うため、崇左市政府ではさまざまな措置を講じています。崇左市観光局のイ欣さんは、次のように紹介してくれました。
「この周辺の生態環境を保護するため、市政府は、市内の全世帯にメタンガスプールを設置しました。メタンガスプールを1つ設置するのに2000元かかりますが、政府がその半分を負担しました。また、使用方法については、技師を派遣して指導に当たらせています。住民達は、電気やガスの代わりにメタンガスを使っています。メタンガスのエネルギーを利用して、料理を作ることもできます。農業の分野でも、農家への指導を行っています。生態環境にマイナスの影響を与えず農業収入を確保する方法を探っています」
崇左市政府は、1990年代から山間部におけるむやみな田畑の開墾を禁止してきました。また、農民が薪となる小枝などを採集することも禁じました。その代わりに、メタンガスプールを設置したり、サトウキビやトウモロコシ、稲などの栽培を奨励したりしています。こうした取り組みの中で、農民達の生活条件が改善されただけではなく、「白頭葉猿」が暮らす環境を脅かすこともなくなりました。生態環境の改善により、「白頭葉猿」の生息地は徐々に拡大しており、生息数も増加しました。現在は、およそ700匹にまで回復しました。
村の住民達は、生態環境の保護を通じて、「白頭葉猿」の保護にも取り組んでいます。
2002年に「崇左白頭葉猿公園」がオープンして以来、地元では「エコツアー」がブームとなっています。
むやみな観光開発は環境破壊をもたらしますが、この「エコツアー」はその問題をクリアしています。北京大学のハン教授は、次のように話しています。
「エコツアーを始めたことにより、地元の住民に雇用の機会がもたらされました。これにより、地元住民の生活も徐々に改善されました。そうなってくると、保護区のエリアを拡大することができ、生物の保護にもメリットとなります」
エコツアーを実施するためには、目的をはっきりさせることと、万全の準備を行うことが重要となります。また、開発の度合いに制限を設けるべきです。そうすることで、環境破壊を防止でき、生態系が守られていくのです。
では、クイズです。
1「白頭葉猿」というサルは、広西チワン族自治区以外の場所にも生息していますか?
2「白頭葉猿」というサルは、広西チワン族自治区に何匹生息していますか?
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