中国近代文学の父・魯迅は、紹興で生まれ育ちました。魯迅は18歳までこの町で過ごしました。その旧居が、今も紹興市の中心街に残されています。
魯迅は裕福な家に生まれました。のちに没落して苦労しましたが、幼い頃はこの紹興の町でのびのび育ったようです。旧居は非常に広くて、順序に従って歩くだけでも30分以上かかります。敷地内には「百草園」と名づけられた広い庭と大きな野菜畑もあります。この「百草園」という庭は、中国では知らない人はいないほど有名です。中学の国語の授業で彼のエッセイを勉強しますが、そのエッセイにこの庭のことが出てくるのです。魯迅はこの庭で、虫を捕まえたり、植物の根を掘り出したりして遊んでいたようで、なかなか腕白な子供だったようです。
この旧居のほかにも、周辺には魯迅に関連する施設がいろいろあります。魯迅が17歳まで通っていた私塾「三味書屋」や資料を集めた記念館は、旧居のチケットを持っていれば入場できますので、ぜひご覧ください。こうした施設を見学することで、改めて魯迅の人柄や精神にふれることができるでしょう。ちなみに、魯迅旧居の入場券は80元(日本円で1200円)です。
魯迅のほかにも紹興ゆかりの有名人はたくさんいます。たとえば、周恩来元首相は本籍が紹興で、市内には一族ゆかりの家が今も残されています。また、北京大学の学長を務めた教育家の蔡元培なども紹興出身です。こうした紹興ゆかりの人物を尋ねる旅も面白いのではないでしょうか。
|