チベット族は魚を食べないのに、シュンバ村では魚を取って食べます。それはなぜでしょうか。これはチベット仏教の影響です。チベット族はチベットにある湖をすべて神聖な湖として信仰の対象にしています。ですから、湖で水浴びをしたり、魚を取ったりすることは神聖な湖を汚すとされています。
でも、シュンバ村の住民もチベット族です。なぜ村人たちは漁業をして魚を食べることが出来るのですか。これには特別な理由があります。地元の伝説によりますと、天の神様の許可を得ているので、シュンバ村では魚を取ったり食べたりすることができます。シュンバ村委員会元主任のソナンさんからこの不思議な伝説を聞きました。
「ここでは魚が増えるのが速かったんです。ある日、川では増えすぎた魚で収まらなくなりました。すると、魚の背中からつばさがはえて、広い住みかを捜すために、空に飛んでいきました。しかし、翼のある魚がますます多くなって、太陽と月をさえぎってしまいました。そして、地上のいろんな生き物が太陽と月の光を得られず、死んでしまいました。ちょうどこのとき、この様子を見た天の神様が、人間のところにやって来ました。神様はシュンバ村の人々に魚を取って食べることを進めました。普通は、こんなことをしたら罪になりますが、神様はこれを認めました。シュンバ村の人々が魚を取るようになって、万物の活力が回復しました。こうして、シュンバ村の漁業は今日まで伝わってきました。」(続き)
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