2008年がいよいよスタートしました。今年は、中国にとって記念すべき1年となります。世界のスポーツの最大のイベントといえるオリンピックが初めて中国で開催されます。日本から北京へオリンピックを見に来る人も多いでしょう。競技の合間に、北京市内を観光する人も少なくないと思います。そこで、今年の特別番組では、胡さんと満尾さんのコンビが、普段の北京の観光コースとはちょっと違った面白いコースを訪ねました。簡単な内容は以下のようです。

　宣南文化博物館

　地下鉄2号線の長椿街駅から歩いて7、8分。胡さんと満尾さんのやじきたコンビは、北京市南部の宣武区にある宣南文化博物館に着きました。

　宣南文化博物館、その前身は「北京一のお寺」と称えられた長椿寺です。長椿寺は1592年に建てられ、明の万暦皇帝から「長椿」という横額を賜りました。これには、母の健康と長寿を祈るという意味が含まれています。2002年から、宣武区政府と文物局が長椿寺に対して徹底的な修理と整備を行いました。そして、3年後の2005年、長椿寺は宣南文化博物館として一般の市民や観光客に向けて開放されました。さて、胡さんと満尾さんは庭の中に展示されている古風な出で立ちの像に興味津々です。実は、これらの像はいずれも昔の北京のさまざまな場面を再現していました。このほか、宣南文化博物館には、「悠々宣南」、「宣南の知識人」、「烈士の足跡」、「繁栄の梨園（演劇）」、「城南楽園」、「百年の商業発展」、「民族団結」、「宣南文化の保護と発展」という8つの展示室が設けられています。展示室では、昔の写真、資料、文物、人形などを利用して、かつての北京の様子を紹介しています。「悠々宣南」と「繁栄の梨園」を見た後、二人は「城南楽園」の一室をのぞきました。人形によって再現されていたのは、かつて、北京の下町で物売りをしていた力強い庶民の姿でした。こうした人々のエネルギーは、今も時折街なかで見かける、さまざまな物売りの人たちの中に受け継がれています。

　琉璃廠

　次に、胡さんと満尾さんが訪れたのは、北京の中心部の天安門や前門にも近い琉璃廠です。古都の歴史を感じさせる店がずらりと建ち並ぶ街の一角です。

　現在の琉璃廠は全長750メール、1982年に町並みの改修工事が行われました。町の両側には、書画や、骨董、文房具などの老舗がぎっしりと並んでいます。二人は、筆の老舗である戴月軒に入りました。戴月軒が今も作り販売しているのは、湖筆と呼ばれます。湖筆は、羊の毛、ウサギの毛、イタチの尻尾の毛を主な材料とし、前の三者を混ぜた毛など、大きく四つに分類され、その下でまた250以上の種類に分けられます。昔から、文人墨客、画家学士に好まれていました。

　また、琉璃廠の町並みを歩いていると、道端で文房具や書画などを売っている人の姿がちらほらと見られます。

　琉璃廠で、最後に二人が訪れたのは栄宝斎という老舗です。「文を以て友と会し、栄名を宝と為す」という言葉から栄宝斎という名前を取ったということです。栄宝斎には300年以上の歴史があります。栄宝斎は、独特な印刷技術でよく知られています。

　北京市宣武区中医病院

　北京市宣武区中医病院は、中国医学を主体にして、西洋医学の技術と医療機器も合わせ持った病院です。漢方薬、針、灸など中国医学の治療がここで全て行われています。そして、外国からの観光客も、ここで見学したり治療を受けたりすることができます。毎週、この病院で中国医学を見学する旅行団もあるそうです。ここでは、満尾さんは、20年以上の経験を持つ医師の劉月芝さんから30分の針治療を受けました。

　湖広会館

　かつては広大な広さを持っていた湖広会館の現在の敷地面積は3千500平方メートル。会館には、京劇を演じる劇場や戯曲博物館などがあります。また、飲食サービスも提供します。戯曲博物館で京劇の知識を少し仕入れてから、二人は、庭の南にある2階建ての劇場を訪ねました。

　京劇が行われる劇場は、木造の建物で、関係者によれば、世界十大木造建築の一つに数えられているそうです。譚シン培、余叔岩、梅蘭芳など中国の有名な京劇俳優もここで京劇を演じたことがあります。現在、毎日夜7時半から京劇の上演されています。そして、外国人も内容を理解できるように、舞台上には電光掲示板で中国語や英語の表示が出るほか、イヤホーンによる日本語解説もあります。

　夜9時、一日の北京文化の旅が終わりました。

　具体的な内容は番組の中で紹介していますので、ぜひお聞きください。