貴州省は中国西南部にあります。雲南省や湖南省に接しています。貴州省に住んでいる水族は独自の民族の言葉と独自の文字の両方を持っている少数民族です。これは中国の少数民族でもとても珍しいことです。
遠いところから来るお客さんを迎える時、水族の人々は必ず歌を歌いながら、お客さんにいいお酒を上げてもてなします。
貴州省三都自治県は中国唯一の水族の自治制度を実施している県です。ここは長い歴史、独特な民族文化や美しい自然風景を持っています。水族の村は貴州省の重要な文化観光資源となっています。
2005年に水族の文化を代表する村は貴州省観光業発展のテスト村に指定されました。伝統的な家屋や段々畑と聞いただけで、美しい村の様子が目に浮かびます。しかも、独自の豊かな文化があります。
中国の少数民族といえば、歌や踊りがとても得意だというイメージがありますが、いまの少数民族も多くは現代的な生活をしているため、昔のような風景は少なくなりました。水族も同じです。独特の音楽や踊りは一度は忘れられましたが、観光業の発展につれて、また新しい魅力を見せてきました。少数民族の人々も、都市部で出稼ぎすることが少なくありません。民族の伝統が薄れることも心配されます。そんな中でも、村人は歌や踊りを披露して、水族の文化を紹介します。
水族の独特の文化はこのほかにもあります。中国の刺繍といえば皆さんも良くご存知だと思いますが、水族の人々は馬の尻尾の毛で刺繍を作ります。
この刺繍は、先ごろ、国の無形文化遺産に選ばれました。水族の人々はこういう手法を使って、いろんなアクセサリーや日常生活で使う道具、例えば、財布、におい袋や子供を抱いたり背負ったりするための帯などを作ります。こうした手作りのものは水族の人にとっては暮らしの道具ですが、観光客にとっては素敵なお土産になります。完成するのに1ヶ月ぐらいかかる、手間のかかる作業になります。この刺繍の中には、1950年より前に作られた歴史のあるのもあります。お土産でもいいですが、骨董品の収集としても面白いのではないでしょうか。
少数民族の村は国内からの観光客にも、海外からの観光客にも魅力的な観光地になっています。
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