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シャングリラの桃源郷、プダーツォ国家公園
   2007-11-12 19:54:18    cri

    

 中国の雲南省にはシャングリラがあります。シャングリラは「人間の天国」と呼ばれ、豊かな自然景観を持っています。イギリス人作家ジェームス・ヒルトンの「失われた地平線」に描かれた"理想郷"とされる秘境です。このシャングリラには中国大陸最大の国家公園、プダーツォ国家公園があります。今年、6月にオープンしたばかりで、シャングリラの中の桃源郷と呼ばれています。

 プダーツォ国家公園は2000平方キロ近くあり、世界遺産の「三江併流」地域の中心に位置しています。ちなみに、"三江併流"というのは、長江、メコン川、サルウィン川の三つの大河の源流が山々の間を平行して流れていることを指しています。

 シャングリラ県から車で1時間ぐらいでプダーツォ国家公園の入り口に到着します。入り口は、シャングリラ第一の村の霞給村に設置されています。ここでは、チベット族の文化を味わうことができます。霞給村を歩くと、陶芸工房、木器工房、牛の角の彫刻工房、家屋博物館、チベットの線香や銀細工の工房などが見られます。

 霞給村を回ってから、早く公園に入りましょう。

 プダーツォ国家公園には、玉のように清らかな高原の湖、青々と茂る森林、果てしない草原、そして様々な動植物が生きています。中でも、属都湖と碧塔海はお勧めのポイントです。

 チベット仏教では「時計回りに従って、神聖な山と聖なる湖を回れば、災いをなくすことができる」という言い伝えがあります。そのため、私達はまず属都湖に向かって出発します。

 白い雲が青空に漂い、色鮮やかな山林と、周りの景色を全て収めて溶け込んでいる湖……、目の前に現れる属都湖の風景は、まるで天国?と思うぐらい美しい景色です。湖の回りの木道を歩きながら、大自然の魅力をたっぷり味わうことができます。湖の隣には一面の草原があります。ここは、チベット地区の有名な牧場になっています。チベット族のガイドであるダーワジョマーさんは「属都というのはチベット語だ。その意味は、チーズが石のように硬いということだ。ここは、夏の牧場だ。5月から10月まで、われわれチベット族は、ここでヤクを放牧する。ここの草は栄養たっぷりなので、それを食べたヤクからしぼった乳は、量が多く、とても濃い。その乳で作ったチーズは石のようにしっかりしているよ。」と述べました。

 属都湖を回ったあとは、公園の中のレストランに行ってちょっと休みましょう。ここは、公園の中の唯一のレストランです。山の麓に立てられた木造のレストランですが、その前には高原の雪解け水が流れ込む川があります。ここもすばらしい眺めです。このレストランの名物は、ヤクの肉料理です。ここはチベット族が集まって住んでいるところですから。それから、野生のキノコもおいしいです。マツタケなど珍しいキノコも食べられます。ここでは、環境を保全するために、レストランのすべてのゴミや廃棄物は密封された後、外の処理場に運ばれます。

 次は、碧塔海という湖です。船に乗って湖の景色を満喫することができます。水の透明度が高いので、十数メートル下の魚の群れも見られます。湖の回りにはツツジがいっぱいあります。春になると鮮やかな花が一面に咲いて非常に美しいです。また、その季節には珍しい光景も見られます。

 ツツジの花びらにはわずかな毒素が含まれているため、水面に落ちた花びらを食べた魚は中毒を起こします。2時間ぐらい意識不明になって水面に漂う様子は、まるで酒を飲んで酔っているようです。これは、碧塔海の有名な光景、"ツツジで酔った魚"です。そして、運がよければこうした酔った魚を食べに来る熊も見られます。意識不明になった魚は冬眠から目覚めたばかりの熊の餌になるそうです。

 碧塔海の真ん中には小さい島があります。これは、チベットの英雄のゴルサが魔物を退治したところだそうです。島には、仏堂があります。この美しい島は公園の中でも特別に保護されているところです。島の草や木はもちろん、腐った木の根でさえそのままの状態で残さなければならないとされています。

     

 二つの湖を回ってから、もし時間があれば公園内のもう一つのチベット村に寄ってみてください。チベット仏教の仏堂や、マニグルマ(転経筒)などがあり、チベット族の風情が漂っています。村人の家に入って、バター茶を飲み、チベット族の生活を体験することもできます。

 プダーツォ国家公園のアクセス方法:

 プダーツォ国家公園は、雲南省迪慶チベット族自治州のシャングリラ県の東にあります。昆明から出発する場合は、バスと飛行機がお勧めです。夜のバスに乗れば10時間ぐらいで翌日の朝シャングリラに着きます。バスの切符は210元で日本円にすれば3150円ぐらいです。飛行機なら昆明から50分ぐらいで行けます。航空券は650元で日本円にすれば9750円ぐらいです。春、夏、秋、冬、季節によって公園の景色は違いますが、いずれもすばらしいです。公園のあたりの最も暑い時期の一ヶ月平均気温は13度で、最も寒い時期の平均気温はマイナス3度です。だから、秋と冬に行く観光客は風邪を引かないように厚い服を持参したほうが安心です。

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