ナムツォはチベット自治区のほぼ真ん中にある有名な湖です。ナムツォのチベット語での意味は、「天の湖」です。実は、まさに「天の湖」と呼ばれるとおり、その湖のグリーンというか、ブルーというか、水の澄んだ色が青い空に溶け込み、かなたの水平線はその区別がよく付かない感じです。
標高が高いので、水の透明感が違います。ナムツォは東西の長さ70キロ、南北の幅30キロ、面積が1920平方キロに達する湖です。青海省の青海湖につぐ中国第2の塩水湖であり、また、世界一の標高の高い塩水湖でもあります。
ナムツォはラサから北に100キロあまり離れています。道路がよく整備されていて、そんなに長い距離ではありませんが、途中には車の速度制限が非常に厳しいので、結構時間がかかりました。ラサからの日帰りはちょっときつかったんです。
でも、途中の景色はなかなかのもので、退屈しませんでした。雨上がりの天気ですから、霧のようなものが山間を漂っている、山の麓にはきれいな河が流れていて、そして、無数の羊やヤクがゆうゆうと草を食べていました。
途中には広大なチャンタン草原が広がります。海抜5100メートルの峠を越えると、視界がにわかに開けるように、ナムツォがブルーサファイアと同じように、神秘的な光を放っています。
上海から観光客、江銀桃さんの話です。
「ナムツォは最高ですね。とてもすばらしいところです。聖なる湖と言われるだけあって、実にきれいなところです。また、ナムツォはチベット語では「天の湖」という意味ですね。ここは本当に見る価値があります。」
そして、寧夏からの李小恵さんはこのように話しています。
「ナムツォは本当にきれいですね。海とは違うし、同じ湖ですけれども、青海湖とはまた違った風情があります。このような美しさを形容できる言葉が見つかりません。でも、大自然の神秘的なパワーを感じることができます。非常にすばらしいものです。また、その全体的な色を見ますと、特に晴れた時には、コントラストが非常にはっきりしていて、まさに大自然が作り出した完璧な絵のようなものだと思います。」
また、ナムツォの湖畔で、日本人観光客とも出会いました。まず神奈川県から来られた高橋マサさんです。
「ナムツォは最高ですね。やっぱり聖なる湖だけあって、とっても神秘的です。」
北海道からやってきた卓二さんの話です
「ナムツォはすごくきれいで、澄んでいますね。水の青さと空の青さはとてもよくて、非常にきれいです。感動しました。」
ところで、チベットの伝説では、ナムツォは神聖な山、ニンチンタングラ山の奥さんで、未年生まれだと言い伝えられています。ですから、未年の湖めぐりは非常に人気があります。未(ひつじ)年に、ナムツォを一周する信徒が特に多い。一周するのに、およそ一ヶ月ぐらいかかります。チベットの人々は一生の内に、少なくとも一回ぐらいはナムツォを一周することを願っています。
ナムツォめぐりは、ラサでジョカン寺を中心に八角街を回ったり、ポタラ宮をお参りしたりする巡礼と、同じような宗教的な行いです。もちろん、湖めぐりも時計の針と同じように右周りしなければなりません。地元住民の話によりますと、巡礼する時には、食べ物などを持って歩く必要はありません。通りがかりの民家にはどこでも気軽に入ることができるそうです。ザンバーや肉をご馳走してくれます。
ナムツォのほとりで、ゴンジョツーターという21歳の地元の青年と会いました。ゴンジョツーターは、ナムツォで生まれ育ち、2年前から写真を撮る観光客のために動物のヤクを貸し出す商売を始めました。青海・チベット鉄道が開通してから、ナムツォを訪れる観光客が増え、商売も前より良くなったなったということです。
ゴンジョツーターさんの話です。
「ナムツォの湖畔に生まれた私は非常に幸せです。この聖なる湖、きれいな雪山と草原を毎日見ることができますから。これは私たちの天国だと、大変自慢に思います。皆さんもぜひこの天国のようなナムツォに来てほしい。」
|