エレンホト市は中国北方の内蒙古自治区にあります。中国とモンゴルの国境地帯にある最大の町です。地図を見ますと、内蒙古自治区からモンゴルを経てロシアに至る鉄道の、国境の駅がありますね。このエレンホトが恐竜の舞台だといえます。
エレンホトは、アジアで最も早く恐竜の化石が発掘された「恐竜の町」として知られています。7000万年前のエレンホトは、湿度が高く植物が多いため、恐竜が生息する楽園だったそうです。
1990年代から今まで、ロシア、アメリカ、カナダなどの専門家と中国の地質学者や生物学者たちがエレンホトで大規模な発掘調査を6回にわたって行いました。これによって、10種類あまりの恐竜の化石が発掘されました。完璧な保存状態の化石が多いため、世界レベルの恐竜の化石の宝庫といえます。ここは世界各地の学者が注目するとともに、恐竜に関心のある多くの観光客を引き付けています。
車でエレンホト市に入ると、中心部から6キロ離れた道路に、巨大な「市の門」があります。この「市の門」は、エレンホト市で出土した、世界で2番目に大きいといわれる恐竜・「万龍」を原型にしています。長さ80メートル、高さ19メートル、幅34メートルという、巨大な彫刻で、体積は4080立方メートルあります。現在、世界最大の恐竜彫刻として、ギネスブックに申請する準備を進めています。
市の中心部から20キロ離れたエレンホト盆地には恐竜化石自然保護区があります。ここには、発掘された面積がアジアで最も大きい恐竜の墓場があります。この地域からは、恐竜の化石が発掘されたというニュースが次々に出てきます。
1999年8月、中国の古生物学者が、ここで新種の恐竜の化石を発見して「内蒙古龍」と名付けました。2000年と2001年に、内蒙古博物館の専門家が、恐竜の化石がたくさん埋まっている場所を見つけました。今年6月には、ここから世界で最も大きい鳥類恐竜の化石が発見されました。この「恐竜の墓場」と呼ばれるようになった場所は、古生物学者と地質学者たちに多くの驚きを与えました。ここは、観光客が恐竜の謎を探る楽園にもなっています。
中国内蒙古に出かける方は、ぜひエレンホトまで足を伸ばしてください。
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