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チベットの町、林芝に関するエッセイ二篇
   2007-10-30 14:46:06    cri

十一日目「チベット南部の秘境、林芝」

    

 チベットのニンティは、前から憧れていたところです。ホームページで読んだ覚えがありますが、そこにはチベットマニアが大勢集まっているということです。

 ラサからニンティまではおよそ400キロ離れており、道路がよく整備されています。ラサを離れて、一時間ぐらい経つと、標高が次第にあがりますけれど、逆に植生はだんだん増えているような感じでした。標高5112メートルのミーラー峠を越えると、今度は海抜が変化しても何の違和感もなくなりました。もうすっかり高原の酸素環境に慣れたからなのでしょう。

 いつの間にか、ニンティの「母なる河」、きれいなニーヤン河が道路の下を流れています。これはヤルツァンポ河の最北にある支流です。河は広い山間地帯をゆうゆうと流れ、河床には多くの砂浜や芝生が点在しています。川岸の山々には木々が茂り、のんびりした田園風景が広がります。まるで、中国の伝統的な掛け軸のように、目の前に、ゆっくりと徐々に展開してゆき、長く眺めていても全然飽きはしません。こんなすばらしい景色に目を引かれ、まったく眠くなることもありませんでした。

 ニンティ地区の中心地、八一鎮に着いた時刻は、午後3時半でした。途中、およそ7時間かかりました。夕食後、市の中心部にある市民文化活動センターに行きました。その広場にはすでに数百人が集まって民族舞踊を踊っています。これは地方政府が提唱するイベントで、毎日夜7時半ごろから、9時半ごろまで行われ、一番多い時は、8000人ぐらい集まるそうです。

    

 チベット族の民謡や、ニンティ地区の少数民族、メンバ族の曲、それに、独特な文化や風習を持ち、いまだに少数民族として認められていない僜人の音楽のレコードなどが次々とかけられ、人々は大きな輪を作り、独特な振り付けで踊りを楽しんでいます。

 日が暮れるに従って、広場にいる人はどんどん多くなり、踊る人の輪は二重からだんだん拡大してゆき、三重、四重、五重へとなっていきます。

 このほど、国内の30都市の住民を対象に行った生活満足度の調査では、ラサが、北京や上海など伝統的な大都市を抜いて、見事に一位にランクされました。その理由は、生活がのんびりしていて、あまりプレッシャーを感じることなく、自由自在に暮らせることが挙げられています。チベットに来て、そののんびりした生活ぶりを肌で感じました。

十二日目「壮観な雪山と松の森」

    

 今日は午前中観光、午後取材という、より楽なスケジュールとなっています。午前中の目的地は、ルーラン樹海でした。車は国道318号線に沿って走り続けました。その道路をずっと走ると、チベットの昌都(チャムド)地区に着き、更に前へ進めば、四川省になります。

 道の両側には、山々が連なり、山には低い植物がいっぱい生えています。それは全部ツツジの花で、春になると、山一面に咲き乱れ、とてもきれいだと運転手さんに教えてもらいました。

 およそ40分ぐらい走ったところで、同行のチベット族記者が、「見て、ナムチャバルワ峰が見えるよ」と、興奮した声で叫びました。居眠りから覚めた私たちは、「何?どこどこ?」と騒いで車を降りました。そこの展望台には大きなカメラを持って待機していた撮影マニアたちが大勢集まっています。よく見ると、向こうの雲海に、尖った雪山の頂がかすかに見えています。

    

 このナムチャバルワ峰は標高7782メートル、ヒマラヤ山脈の最東端に位置し、世界で十五番目に高い山です。1992年、中日合同登山隊は登頂に挑戦し、見事成功しました。チベット語では、ナムチャバルワ峰は、「天空に刺した鉄の矛(ほこ)」という意味だそうです。この名はその形と逞しさをよく表現していると思います。私たちが立っている展望台は5000メートルを超えていますが、特に聳えているナムチャバルワ峰を眺めると、まだはるか遠い天空にあるかのようです。標高が高いため、年中霧や雲が漂い、その姿を眺めるのは、本当に稀な時刻しか出来ません。ラッキーでした!

 更に、前方に進むと、ツツジが見えなくなり、松の木が多くなりました。ルラン樹海です。見渡す限りの松の世界です。一部の木には、やや黄色っぽい色のひげのようなものが木から垂れています。それは「木のひげ」と名前が付けられていて、漢方薬としても使われ、胃の病気に効くそうです。木のひげは極めてきれいな環境にしか生えないと言われています。フンン、胸いっぱい、このきれいな空気を吸いたい。

 頂上から下へ降りれば、小河が流れ、山間地帯はゆったりとした田園風景となっています。そこで、皆で馬に乗ったりして楽しみました。

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