シャングリラは、雲南省の麗江から北に150キロメートルほどのところに位置しています。標高は平均3500メートル以上、年間を通して寒い気候です。シャングリラを旅する場合は、登山に行くような気持ちで準備をしたほうがいいでしょう。
ベストシーズンは5月から7月ごろの間です。10月を過ぎるととても寒くなりますから、あまりお勧めはできません。夏の最高気温も25度前後とのことですから、夏でも防寒具を持って行ったほうがいいでしょう。
このあたりは、以前「中甸」という地名で呼ばれていました。1933年、イギリスの作家ジェームス・ヒルトンが発表した小説「失われた地平線」に出てきます。この小説には、チベットの奥地にあるまだ誰も見たことがない桃源郷が出てくるのですが、その桃源郷の名前が「シャングリラ」なのです。この「シャングリラ」という言葉は、「地上の楽園」の代名詞として世界的に広く使われるようになります。その後、雲南省の奥地にある、この「中甸」という場所が、小説に出てくる「シャングリラ」に酷似しているということで、一躍脚光を浴びるようになりました。そこで、2002年、「中甸」は地名を「香格里拉(シャングリラ)」に変更したというわけです。
雲南省には、大理や麗江といった有名な観光地がありますが、それらとはまた異なった雰囲気の街並みです。まだあまり観光地化されていませんので、閑静で落ち着く雰囲気です。
新市街を南北に縦断する長征路を南にまっすぐ行くと、旧市街に到着します。通り沿いには、お土産屋さんやカフェ、ゲストハウスなどが並びます。また、旧市街からバス停に乗れば、松賛林寺など有名な観光地に行くことができます。さらに、南側の高台にある大亀山公園からは、旧市街を一望することができます。
松賛林寺はシャングリラ観光の目玉と言えます。チベット仏教寺院の総本山で、別名「小ポタラ宮」と呼ばれています。敷地内には小さな寺院が点在していて、見学は自由です。本格的なチベット建築様式で、まるで本当にチベットに来たような気持ちになれます
新市街には5つ星ホテルが1軒、4つ星ホテルが3軒あります。なかでも、5つ星の天界神川大酒店や4つ星の観光酒店はお勧めです。広々として素敵なホテルです。一方、旧市街には現代的なホテルはなく、すべてゲストハウス・・・つまり、民宿のような宿泊施設です。旧市街の入口には、比較的新しいゲストハウスが集まっています。逆に、ちょっと奥の大亀山公園周辺になると、古い民家をそのままゲストハウスにしたようなレトロな宿泊施設が見られます。現地に着いたら、いろいろ見比べて決めるといいでしょう。
シャングリラは、マツタケの産地として有名です。日本円で1000円も出せば、マツタケをおなかいっぱい食べることができますので、日本のみなさんにはお勧めです。また、チベットに近いこともあり、チベット料理も広く食べられています。バター茶やヤクの肉をつかった料理などを楽しむのもいいかもしれません。あと、チベットのお酒「青カ酒」もよく飲まれます。ただし、シャングリラは標高が高いので、アルコールがまわりやすいです。飲みすぎには注意が必要です。
また、チベット族の日用品や食品を扱う店が多いですので、お土産選びも楽しいと思います。雲南省の秘境・シャングリラ、ぜひお出かけください。
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