新疆は中国の西北部にあります。かつてシルクロードが通り、今も多くの民族が暮らすところです。古くから、ここは中国と中央アジア、西アジア、ヨーロッパを結ぶ交通の要衝でした。
タルバラタイ地区は新疆西北部に位置し、カザフスタンに接する国境地区です。ここに29の民族の人々が暮らし、少数民族の人口は全体の45パーセントを占めています。辺境地域にあるため地元のインフラはあまり整備されず、牧畜民の生活や娯楽は単調です。そこで今日のこの時間はタルバラタイ地域で活躍している四つの民族の女性たちによる映画の放映チームをご紹介しましょう。
タルバラタイ女性放映チームはいくつの民族の人たちで構成されていますか。
2003年、タルバラタイの牧畜民に映画を見せるため、タルバラタイ映画館は移動映画館放映チームを結成しました。審査を経て、ダフール族の常寿蘭さん、ロシア族の呂キュウテイさん、ウィグル族のルセングリさん、漢族の薛淑梅さんの四人の女性スタッフが決まりました。彼女たちは少数民族の言葉と漢族の言葉がよく分るためチームのメンバーとして選ばれたのです。彼女たちは草原の牧畜地域、山間地区に深く入り込み、牧畜民のために映画を放映し、地元の人々から喜ばれています。タルバラタイ映画館の孫徳輝館長は
「去年、この女性による映画放映チームがタルバラタイ地区で放映した映画は6000回にもなります。多くの牧畜民に喜ばれています」
タルバラタイ地区では、移動映画館のチームを乗せたマイクロバスがどこに現れても、どこの牧畜民にも喜びをもたらします。
チームのリーダー・常寿蘭さんは次のように話しています。
「ある日、私たちは牧畜民のパオを通りかかり、喉が渇いていたのでパオの主人から水を貰いました。パオの主人のおじいさんは優しくもてなしてくれました。おじいさんはもう何十年も映画を見たことが無いというので、私たちはそのパオでおじいさんのために映画を放映しました。映画を見た後、おじいさんはたいへん喜んで、羊を料理して私たちにご馳走すると言いました」
今、この移動映画館のチームの車が現れると、近くの牧畜民たちは直ぐ放映場所に集まり、母親は子供を抱いて、おじいさんとおばあさんは腰掛に座って、みんな楽しく映画の放映を待ちます。映画の画面が出た瞬間、牧畜民たちとチームのメンバーに素敵な笑顔が現れました。
|