バダイジャランはゴビ砂漠で有名なところです。地図を見ますと、東西に広がる内蒙古自治区のほぼ西の端にバダイジャラン砂漠というのがあります。バダイジャラン砂漠はゴビ砂漠の一角です。
バダイジャランは内蒙古自治区の西部、阿拉善アラゼンの北に位置しています。総面積47000平方キロで、広さでいいますと、世界で4番目、国内で3番目に広い砂漠です。
砂漠といえば、駱駝の背に乗って旅を続ける隊商の姿を思い出します。「月の砂漠」の歌のイメージです。バダイジャランに来ていた若い女性観光客ミルさんは何回も砂漠旅行をしたことがありますが、バダイジャランの旅は初めてで「日が暮れると、地平線のところは虹の色と一緒で、すごくきれいでした。そこで記念写真を撮りました」と話しました。
バダイジャランのもっとも特色ある景色といえば、砂山です。数千年にわたる強い風の影響で砂が移動するため、砂山はますます高くなっています。最も高い砂山は必魯図峰ピルトゥで、海抜は1617メートルあります。ピルトゥは世界で最も高い砂山で「砂漠の中のチョモランマ」とも呼ばれています。バダイジャランには、鳴き砂の現象があります。つまり、風が吹いていると、砂が鳴ります。湿度、温度、風のスピードなどによって、砂の音や音の大きさも違っています。大きい場合は数キロ離れてもはっきり聞こえます。
バダイジャランにあるほかの観光場所としては、唯一のお寺があります。お寺は小さいけど、文化財として価値が高いそうです。このお寺は1868年に建てられましたが、人の少ない砂漠のなかに建てられたため、今も、ほとんど昔の様子のままです。
お寺の敷地は300平方メートルほどです。2階建てで、中に入ると、壁には仏教説話を題材にした絵が描かれています。そして、仏壇にはたくさんの仏像が安置されています。砂漠の中にありますが、毎年大勢の仏教信者たちがここを訪れるそうです。
バダイジャランの一つの見所は湖と泉の風景です。バダイジャランには合わせて113の湖があります。みんな塩分の多い塩湖です。これだけでは珍しくありませんが、塩湖からは泉がわいてきます。泉の水は塩分を含まず、とても甘いです。泉から沸いてくる水は直接飲んでもいいそうです。
バダイジャランには30世帯が住んでいます。バダイジャランの住民たちは新鮮な空気を吸って、きれいな泉の水を飲んで、無農薬の果物と野菜を食べて、静かで充実した生活を送っています。
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