この間、吉林省の長白山へ取材に行ってきました。
長白山はさすがに東北部一番の山です。とにかく規模が大きい、そして眺めが壮観で、一回行ったらなかなか忘れられないところ、というか、もう一度行きたくなるところです。
天池は天の池と書きますが、殆どの観光客はこの天池を見るために長白山に行くほどです。でも、地元のガイドの話では、運良く天池を見る事が出来る人は二三割しかないそうです。
私は幸い、その二割に入りました。
長白山は、富士山と同じような火山です。寒い東北部にあり、長年白い雪に覆われているので、長く白い山と書く「長白山」と呼ばれました。その頂上には、「天池」と呼ばれる火口湖があり、長白山を代表する見所です。
長白山は吉林省と朝鮮の境にあります。中国側から長白山に登るには、普通は北と西の二つのコースがあります。北コースは一番早く開発されたもので、見所が割合多く、観光施設も完備されているそうです。でも、取材した私たち記者団は西コースを登りました。聞いたところでは、西のほうは、開発が遅れた分、自然の景観がよく残っているそうです。まずはもちろん天池、そして、天池に行く途中、長白山大峡谷や、高い山にあるガーデンという意味の「高山花園」、そして、梯子滝という滝などいくつかの見所があります。
長白山では環境を保護するためいろいろな工夫が行われているのが特に印象に残っています。森の中の木道はその一つです。観光客はそれに沿って、メインの見所にいけるので、道案内の役割も果たしています。その小道の両側には欄干が付いているので、道を外れて森の中に入って、自然環境を破壊することも防げます。
そして、もう一つは交通手段です。これまでは自家用車でも長白山区域に入れたのですが、去年の五月から、長白山専用の観光バスしか入れないようになりました。その観光バスは無公害バスといい、環境にやさしい燃料を使っているそうです。また、観光バスは循環していてコース全体を回りますから、お客さんは一つの観光スポットで長くとどまって、乗って来たバスに間に合わなくても、次のバスがすぐ回ってきますから、大丈夫です。しかもガイド付きですよ。
そのバスに乗って、頂上に向かっていると、周りの景色も変化していきます。長白山の海抜は高いから、ふもとから頂上まで植物の種類はだんだん変わっていきます。温暖地帯の植物から針葉樹など寒いところの植物に移り変わり、そして最後は苔ばかりになります。そこで、目の前に小さな駐車場が現れました。観光バスはそこに止まりますから、観光客はそこから階段を登って頂上へ向かいます。
そのときに、頂上から戻ってきた観光客が現れました。早速天池が見られたかどうかを聞いてみました。
その方は「見られたよ。すごく壮観だった!やっぱりここに来た価値があった!」と興奮しながら、写真を見せてくれました。
「僕は5歳です。天池が見えたよ!このハンカチに描いてあるのと一緒!きれいだった!」
また、私たちが出会ったあるおじいさんは、85歳でした。天池を見るために遼寧省からわざわざやってきたそうです。山登りでちょっと疲れたけど、天池が見られてよかったととても満足そうに話してくれました。
実は、山の麓に着いたときも、曇っていたし、登山道に入っても、周りの景色はまだぼんやりしていました。天池が果たして見られるかどうか、とても心配していました。だから、天地を目にした瞬間、すごく興奮しました!
以上、傅穎の長白山体験記でした。今回は西のコースで登りましたが、今度は、北のコースを体験したいと思います。リスナーの皆さんもぜひ一度長白山の旅を実現してください。その時は天池が見られるように、願っています。
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