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幻のお茶の産地、仙寓山
   2007-07-02 13:56:59    cri

 今から260年ほど前の1745年、スウェーデンの遠洋商船「イエーテボリ」号が、中国から帰国する途中、暗礁に乗り上げ沈没しました。そして、20年前の1986年、「イエーテボリ」号に載せた貨物が引き揚げられました。その中に中国産の緑茶もありました。海底に200年あまり眠っていた中国の緑茶は、今もいい香りを保ち、飲むことが出来るそうです。これが安徽省の仙寓山で採れた幻の銘茶、「霧里青」でした。

 沈没船の引き揚げ作業に参加したスウェーデン人、マックス・ラースンさんの話です。

 「我々は沈んだ「イエーテボリ」号から、370トンもの中国茶を引き揚げました。古いお茶を詰めた磁器製のカメが木箱に納められていました。ある日の夜、私たちは引き揚げた古いお茶で、試飲会を開きました。その絶妙な味は言葉で言い表せない程でした。」

 「霧里青」の産地である安徽省の仙寓山は、年中雲や霧に覆われるところです。「霧里青」の名前はここから来ています。仙寓山では茶の栽培は、紀元前300年ごろから始まり、今でも2千年以上前からの製茶方法を踏襲しています。

 仙寓山の最高峰が海抜1300メートルを超えていますから、この山で採ったお茶は高山茶の種類に入っています。その分、茶摘みの時期も遅いです。普通、毎年の5月20日ごろになると、摘みとりはじめます。

 ところで、18世紀当時の技術を使って、忠実に当時の姿を再現した帆船、新「イエーテボリ」号は、2005年に、およそ250年前の航路をたどって、再び中国へ向かいました。そして、わざわざ「霧里青」の産地、仙寓山を訪れました。仙寓山は安徽省の池州市に位置しています。

 茶園の中で、新「イエーテボリ」号の乗組員、マックス・ラースンさんは、海底から引き揚げた古いお茶を持参して、次のように話しました。

 「今も、昔と同じような茶摘みの仕方を続けているのですね。この古い茶園にいると、かつてのイエーテボリ号からの長い歴史がすう~っと、私の身体を通り抜けます。妙な錯覚に襲われ、タイムスリップしたような気がしてなりません。」

 古いお茶を迎えた茶商人たちは大喜びです。彼らは、新「イエーテボリ」号に新しい「霧里青」茶を送りました。また、お茶のパッケージは昔のやり方に倣って、磁器製の容器に積みました。また、缶の表面には、「イエーテボリ」号を象徴する船型のマークをつけています。仙寓山天方茶業グループの鄭孝和社長の話です。

 「私はスウェーデンで「霧里青」のチェーン店を開設する予定です。「霧里青」はスウェーデン人にとても好まれていたことから、きっと売れ行きがいいでしょう。」

 いずれにしても、250年も前の「霧里青」、ちょっと飲んでみたいものですね。

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