ウイグル族のアユ?フさんは、新疆ウイグル自治区の中心地・ウルムチ市で、食堂を経営しています。安い上においしいことで人気を集めています。アユーフさんは、お客さんの持っているお金が足りない場合、立て替えてあげたりするほど、人助けに熱心な人です。人に優しくすることは、暮らしの中で重要だと、アユーフさんは、言っています。

　では、クイズです。

　アユーフさんはどんな仕事をしていますか。

　「幼い頃から、父は厳格でした。悪いことをしたり、人を傷つけたりしてはならないとしつけてくれました。そのときは、家の暮らしがよくありませんでした。３人兄弟で、よくお腹を空かしていました。貧しい暮らしでしたが、父母の教えはよく覚えています。どんなに困っていても、自分の力でいい暮らしを手にするって」とアユーフさんは話しています。

　アユーフさんは、10数歳で古里を離れ、出稼ぎを始めました。豊かになってから、自分の経験を古里の人々に話しました。暮らしに困っている人に対しても、よくお金や品物をあげたりして、援助しています。1989年、息子が通う小学校が日本円にして105万円の設備を買うのに、まだ30万円足りないことを聞いて、アユーフさんは、早速現金で3万円を出しました。そして、残りのお金を借りて、30万円をそろえて学校に渡しました。息子さんが卒業した後も、アユーフさんは、毎年この小学校の貧しい子供たちのために寄付しています。アユーフさんは、「一つの民族が文化を持たないことは、怖いことです。子供がお金がないために学校へ行けなくなるのは、残念なことです。私は勉強ができませんでしたが、祖国の未来を担う子供たちが勉強できないことを放っておくわけにはいきません。文化を学び、知識を身につけることは、非常に重要です。私は自分の文化レベルが低いことをとても残念に思っています。ですから、貧しい子供たちが無事に学校へ行けるように、尽くしたいです」と語っています。

　去年の夏、ウルムチ第38中学校の先生が、アユーフさんに、両親を亡くした二人の兄弟が、夏休み中、行くところがないと話しました。アユーフさんは、早速二人の兄弟を家に迎え、学校が始まるまで滞在させました。

　また、高校生になった息子から、クラスメートの一家6人が一酸化炭素中毒で入院していると聞かされました。アユーフさんは、たびたび食べ物を持ってお見舞いに行き、お金を渡したりしました。アユーフさんは、「誰にも苦しいことがあります。また、誰もが困った人を助けようと思います。人にとって大事なのは、お金ではなく人情ですよ。人と人の間の気持ちが一番大切です」と述べています。

　中国の伝統のお正月・春節のほか、ムスリムの伝統行事、クルバーン祭りなどになりますと、アユーフさんは、団地の管理事務所に米、小麦粉、食用油などの食料品を送り、生活に困っている人に配るよう、依頼します。これについて、アユーフさんは、「もう習慣になりました。管理事務所の人は、団地のことに詳しいから、必要とする人に配ってもらっています。困っている人に、援助の手を差し伸べるのは当たり前のことです」と話しています。

　ウルムチ市平和街事務所固原巷団地の主任、ゴスーマンさんは、2001年にアユーフさんと知り合いました。貧しい人を熱心に助けるアユーフさんに感心し、「ここ数年、祝日になりますと、アユーフさんは、お金や小麦粉、サラダ油などを持ってきて、必要な人に渡すように言います。アユーフさんは、自分で直接贈ることがなく、私たちに配らせています。ですから、もらった人は、アユーフさんのことをぜんぜん知らずにいます。彼はこの団地の住民の模範で、私たちは彼に学んでいます」と話しています。

　アユーフさんについて、同じ団地に住む回（フイ）族の米燕さんの話です。「2004年、春節やクルバーン節のとき、アユーフさんからのお米や小麦粉、食用油をもらいました。嬉しかったです。彼に感謝しています」。

　アユーフさんの影響で、彼の子供たちも人を助けることが好きになっています。団地には80歳を超えた目の不自由なお年寄りが暮らしていました。アユーフさんは、三人の子供に交代でご飯を届けさせました。お年寄りが団地を離れるまで、一日も欠かすことはありませんでした。

　十数年来人助けに熱心な夫について、妻のニューリハンさんは、「夫と結婚して30年あまり経ちました。多くの人を助けました。優しい人です。このような夫に、満足しています。今後も、引き続き夫を支持していきます。人を助ける時は自分も楽しくなります」と語っています。

　では、クイズです。

　アユーフさんはどんな仕事をしていますか。

　回答とお便りをお待ちしています。

　郵便番号100040

　北京放送、中国国際放送局日本語部「新疆シリーズ」係です。

　次の時間はウイグル族で親しまれている音楽・「ムカム」についてご紹介します。

　おしまいに、お知らせがあります。放送の再編成によって、この番組は、6月から毎週日曜日に放送することになりました。担当は黄キョウアナウンサーになります。よろしくお願いします。（翻訳　朱丹陽）